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魔女堕チノ時間 9

全身から伝わる熱と、徐々に混ざって行くような感覚に 月人は制御しきれず彼の唇を塞いで腰を揺らした。 「ふ、..っん"..、..は、..っ..ン...」 彼の唇を貪りながら欲情を打ち付ける。 皇はぎゅっと月人の首に腕を回して抱きついてきた。 わずかに震える指先が襟足に触れ、ぞくぞくと背中を駆け抜けて行くような感覚は 吸血行為をも上回る快楽で。 「ぁ、あ..っ..はぁ...う...」 唇を離すとちいさく溢れる声が、甘く甘く響いて。 彼の膝裏に手を差し込み、足を開かせ体内を抉る。 首を甘噛みすると皇は月人の自身を締め付けてきて、 犬歯で貪りたい衝動を抑えながらかみかみと何度も甘噛みをしてしまう。 「..ッ、あ..ぁ..、は...」 「皇...」 首に口付けたまま呟く。 彼の手が月人の頭を撫でてきて、 もっと自分が強くあればと思った。 この魔女は、例え魔女でなくなっても 月人にとってはいつまでも生意気で、太々しくて いけ好かない魔女である事だろうから。 「..ごめん...ごめんな...皇..」 「い..ッ、あ..ぁ....っ」 もっと強くならなくては。 完璧で、何不自由のなかった自分にそう思わせる 寂しがり屋な魔女。 「皇...っ」 月人は彼の中で昇り詰め、達した。 ビクビクと震える身体を抱きしめながら熱い液体を彼の中で迸らせ 頬に涙が伝った。 「は..ーっ....はぁ...」 皇は肩で息をしながら、ぽんぽんと月人の頭を撫でた。 そんな彼の顔を恐々と見ると、皇は潤んだ瞳で無理矢理に笑ってみせた。 「...背負わせちゃったな..」 そう言いながら涙を指先で拭われ、月人は首を横に降った。 多分自分は、一緒に背負いたかったのだ。 何もかも1人で抱えたって構わないというような背中を 見ていられないから。

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