6 / 162
赤く、花のような殺人鬼 5
1週間後、ツツジは風呂にぶち込まれ
爪先までピカピカに磨かれ、
あらゆる粉をまぶされ、天ぷらになる気分だった。
とはいえ火傷や拷問の傷がそんなに早く治るはずもなく、
時が来るまで肌は見せるなと口酸っぱく忠告を受けた。
拷問器具のように重苦しい着物を着せられ、絶対に1人では歩けない高い靴を履かされ
頭の上に文明が築かれているんじゃないかと疑う程の装飾品を設置された。
「やることは分かってるな?」
逮捕から処刑まで世話になった男に声をかけられる。
「ヤルコトワカッテル」
装飾品の重みで頭痛を感じながらもツツジは頷いた。
山奥の領主の男とヤる、ツツジの目的だった。
「よしならもういけ。くれぐれも失敗するなよ」
男はそう言いながらツツジの体を回転させ、
停まっている豪華な馬車の方へと押しやった。
「あ…おじさん、色々とありがとう」
「お前におじさんと呼ばれる筋合いはない。
あとお前あんまり喋るなよ。アホがバレると厄介だ」
男に釘を刺されながらも、妙にめかし込んでワラワラとやって来た女達に支えられ
竹馬のような靴を引きずりツツジは馬車に乗った。
ともだちにシェアしよう!