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神の棲まう庭 3

庭から随分と楽しげな声が聞こえてくる。 ゼアレスは昨日不用意に切り倒してしまった木を薪として加工し終わり 屋敷へ戻る途中でその声に気付いたのだった。 庭師があんなにペラペラ喋るわけがない。 思いつくのはただ一人だ。 花壇の前に座って笑っている赤い髪、 陽の光の下で見る彼の髪はますます鮮やかで 生い茂る緑とのコントラストでまるで大輪の花のようだった。 「しかもさぁ刑務所の水ってほとんど泥なんだよ? 水要素は2%ぐらいで後は泥、そう思うと俺お腹強いよね」 謎の話を蜂蜜に聴かせているツツジにゼアレスはため息を溢しながら近寄った。 昨日のことを思い出すと居た堪れないが声をかけないわけにはいかない。 「ここで何をしている?」 「あ、おじさん!」 ツツジは顔を上げ嬉しそうに微笑んだ。 「俺ここまで自分で歩いてきたんだ!すごいでしょ」 「ウロウロするなと言っただろ…」 「えーだって蜂蜜ちゃんに行こうって言われたんだもん」 「蜂蜜が?」 「あ、言われてはいないけど、 えーっと…行こうみたいな感じでされたっていうか」 ツツジの横にいた蜂蜜は、こくこくと頷いている。 一体この男の何をそんなに気に入ってしまったのかはわからないが、蜂蜜の意見ならば仕方がない。 とはいえ階段などもあったはずなのに、よくここまで来られたものだ。 恐ろしい生命力である。 それとも鈍感なだけなのだろうか。

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