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神の棲まう庭 6

「おじさん…?」 ツツジは機能停止したゼアレスを不安げに見つめてくる。 サイズが大きすぎるシャツから伸びる白い足、 鎖骨と細い首、ワードに引っ張られてつい脳がその情報を抽出し始め ゼアレスは渾身の力で立ち上がった。 「……っ、おま、おまえなあ!そんな平然と!!!そんな!ことを!」 声がひっくり返りそうになりながらゼアレスは大声を上げた。 「そんなことって…別に普通じゃん?」 「うるさい!どこがだ!!!恥を知れ!」 何が普通なのか全くわからない。 そういえばこいつはサキュバスとかいう存在だった。 だったら性にオープンなのも頷ける。 しかしだからと言ってこちらの耐性が強化されるわけではない。 ゼアレスは自分を落ち着かせようと深呼吸をし、彼に背を向けた。 「いいか?前にも言ったようにお前は蜂蜜の扉開け係で、 お前に触る気はないし、触れたいとは思わん! 大体こっちは頼んでもいないのに勝手にだな…!」 先ほど触れたいと思った自分の気持ちを改めて撤回しながらゼアレスは早口に言い訳をする。 「…やっぱ俺じゃ無理?」 「そうだ!」 「……え、」 思わず反射で答えてしまうと、ツツジは急に大人しくなってしまった。 背中にひんやりとした風が触れている気がしてゼアレスは嫌な予感に眉根を寄せる。 「…あは、まあそうだよね…俺…男だし、 別に綺麗でも可愛くもないし……わかってたけど……」 まるで泣いているような掠れた声が聞こえ、ゼアレスはチラリと彼を見た。 俯いているツツジは、震えていて目から涙を滴らせている。 なぜここで泣くのかが全くわからず、ゼアレスは内心死ぬほど焦り始めていた。 自分が泣かせたのかと思うと余計に。 「あれなんか、めっちゃショックだ…なんでだろ?」 ツツジはポロポロと涙を溢して、それを拭うように顔を覆った。 罪悪感に滅多打ちにされる気分だった。 「い、いや…その…そういうわけじゃ…」

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