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神の棲まう庭 7

ゼアレスはおずおずと彼に近寄る。 今までだって近寄っただけで泣かれることなんて山ほどあった。 それこそ女なんかは、立っているだけで悲鳴をあげて泣き叫んだりする。 泣かれることには慣れているはずだった。 それなのに、どうしてこんなにも自分が焦っているのかがわからない。 「お前が、男だから無理とかではなくてだな……」 無理矢理絞り出した言葉はそんなもので、 ツツジは泣きながらも顔を上げてゼアレスをじっと見上げてくる。 「そうなの…?じゃあ俺のどこが嫌なの?」 「嫌というかその…つまり…」 そんな涙で滲んだ瞳で見上げて来ないで欲しい。 ゼアレスは目を逸らしながら思わず口元を腕で隠した。 「だから…誰が、とかじゃなくて… …苦手、なんだ、その、そういうのは…っ」 精一杯に伝えると、ツツジは驚いたように目を丸くしている。 恥ずかしくて消えてしまいたくなりながらゼアレスはツツジの顔を見れずに目を逸らし続ける。 「そうなの?苦手なだけ?」 「…っ」 「…じゃあ、じゃあワンチャンある!?」 ツツジはベッドを這ってきてゼアレスの胸に飛び込んで服を掴んでくる。 「くっつくな…!」 「ねえどう思う!?パーセンテージでいうとどれくらい!?」 「しらん!!!」 ツツジを引き剥がし、 ゼアレスはいよいよ構うことを放棄して逃亡した。 身体中が熱くて特に顔からは火が出ていそうなほどだ。 なんて調子を狂わせてくる存在なのだろう。 発言の全部が理解不能である。 そろそろ放置してなるべく近寄らぬようにしても良いだろうか、と思いながらも頭を冷やすために何か仕事を探すゼアレスであった。

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