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ガンガン行くぜ! 1

ワンチャンあるならワンチャンにかけるしかない。 ツツジは足りない頭でどうにか作戦を考える。 頭が足りないゆえに過ぎ去ったこととまだ起きてもいないことは考えないようにしていた。 そんなことまで考えていたらキャパオーバーしてしまうからだ。 「苦手ってことは、奥手ってことだから、俺が押すしかないよね? 無理矢理そういう感じになったらいけやしないかな」 ツツジはベッドの上にあぐらをかいて腕を組み、 うすぺらな知識の引き出しを開けたり閉めたりしていた。 あれから男はこちらをまた避けているようで、声をかけても風のように居なくなってしまう。 日もすっかり落ち、世界は寝静まっている時間帯だ。 本来ならばすっかり眠りに落ちているツツジであったが、何故だかことを急がねばならない気がして眠れなかったのだ。 「よし…考えてても仕方ない!」 ツツジはベッドから降りると、開けっ放しの扉から部屋の外へ出た。 壁伝いに月明かりに照らされた廊下を進み、 目についた扉を片っ端から開けて中の様子を覗き込む。 彼の部屋はどこだろうか、 無駄に広いから探し当てるまでに朝が来るかもしれない。 同じ階の一番奥の扉に辿り着いた。 やけに大きくいかにもラスボスの部屋への入り口といったようだったが 人一人が通れそうなくらいには開けられていて、恐らく蜂蜜のためだろうと推察した。 扉の向こうはまた更に廊下になっていて、いくつか扉があった。 一つずつ順番に開けていき、一番端の部屋の扉を開けて中を覗き込むと 今までの部屋よりも生活感のある部屋のような気がして、ツツジはその部屋に侵入した。 大きな本棚がいくつも置かれ、勉強机のような大きな机には色々な書類や本が積まれている。 とはいえ散らかったような感じはなく、整頓されている物の多い部屋、といった印象だった。 暖かな暖炉とソファ、その向こうに大きな窓があり大きなベッドも見えた。 ベッドから気配を感じ、ツツジは音を立てぬようにそちらへと近寄っていく。

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