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魔の差す領域 1

カザリの持ってきた薬というのは相当強力なものだったらしく ツツジは一晩魘された。 身体中のあちこちが熱を持って、 肌が発火しているようにすら思えた。 ようやく気を失うように眠りについても、忘れたと思っていた火炙りの記憶の夢を見て 自分の身体が炎に包まれて、死というものがゆっくり近付いてくる感覚に怯えながら飛び起きるのだ。 そんなことを2、3回繰り返すといよいよ気を失うことすら出来なくなり とにかくツツジはベッドの中で震えながら長い長い夜を過ごした。 日が昇る頃には熱も痛みも嘘のように消え去り、 赤く腫れていた場所も幾分か落ち着いていて、 薬の効果の絶大さに感動しながらも ツツジはようやく眠りにつくことができた。

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