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夜明け前が一番暗い 5

彼の腰を抱きながら、その首に口付けると彼の内部がまた絡み付いてくる。 「っ…ふ、う…、」 ちゅ、ちゅ、と首にキスを落としていると 腰が勝手に動いてしまって、段々止められなくなってしまう。 「ツツジ…、っ」 申し訳なく思いながらも腰を揺らしてしまうと彼の手は優しく頭を撫でてくる。 「ん、…いい、よ、して、いっぱい…して…、っ」 ツツジの甘い声が直接脳に響くように耳元で溢れていて 頭がクラクラするのを感じながら、彼の身体をめちゃくちゃに抱き締め、律動を早めていく。 「ぁ、あ、ッ、おじ、さ、…っあ」 どうしようもない熱が頭の中を支配して、その肉体を貪ることしかできない。 中で擦れる度に切なげに哭く声を塞ぐように口付けてベッドに押し付けた。 律動を続けながら上体を起こすと彼の腕が離れ、居た堪れなさそうに枕を掴む。 「ん、…ァ、は…ッ、あ、あ」 開きっぱなしの口から唾液が、瞳からは涙が溢れていて そのいろんな液体でどろどろになっている顔に堪らなく興奮してしまって 彼の膝を抱え、足を広げさせて欲望を打ち付ける浅ましさにどこか自己嫌悪しながら。 「ァ、おじ、さ…きもち、きもちい、それ、っすき…」 そんな自分を受け止めてくれる彼がたまらなく愛おしくて。 「っ、つつじ…」 譫言のように彼の名前を呼ぶ。 彼の頬を撫でると、揺さぶられながらツツジはそっとその手に触れて手首に口付けてくる。 ゼアレスはまた顔を近付けて彼の唇を奪った。 「ん、…は、ぁ、ん、っ…ふ、ッ」 舌を絡めて、深く深く、汗ばんだ肌全部で彼の存在を感じながら 迫り上がってくる熱を打ち付けて、また頭が真っ白になる寸前で 無我夢中で彼の唇を貪り食らった。 「ン、んん“、ん…ッ!」 口の中で彼が叫んだが、彼の中で精を吐き出す間離すことができなかった。 彼の中が自分の吐き出した熱で溢れ返り、その愚かさにどこか呆れながらもそっと口を離した。 「ふ、ーッ…っ…」 酸素が足りず必死で息を吸いながらも、 ツツジは細めた瞳から涙を流しながら暫く痙攣していた。 「つつ、じ…大丈夫か…?」 頭が冷静になってくると、ぐったりと身体を横たえる彼に些か焦ってしまう。 初めてで余裕が無かったとはいえ無理をさせてしまったのではないかと、彼の頬の涙を拭う。 「ん……だいじょぶ……」 ツツジは大人しく涙を拭われていたが、やがて起き上がりこちらに抱きついてきた。 彼の頭を撫でながら、その赤い髪に顔を埋めて余韻に浸る。 とても満たされたような心地が疲労感とともに身体を包んでいた。 「…俺幸せ、だよ、すごく……」 ツツジが耳元で囁いている。 ゼアレスは頷いた。 どこか、春風にも似た暖かい空気の流れが身体に触れている気がした。 「本当だよ…、本当に幸せだった…… もう、何にもいらないくらい」 その声はまだ、甘さを帯びて どこか切なく響いていた。

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