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化け物同士 3

「うわ〜ローザ様がお話をされていらっしゃるう〜!しかもちょっと笑っとる〜!」 尊い!、と泣きながらカザリは庭で何やら話しているらしい2人を窓越しに観察している。 2人は何を話しているかは分からないが、同じものを抱えた者同士何か打ち解けあったならいいのだがと思うゼアレスであった。 「しかしまあ、紆余曲折あられたのでしょうけど ツツジ様はうまくお力と向き合われたようにお見受けいたしますよ。 さすがゼアレス様です」 「そうだろうか…? もっと他に方法は無かったのかと思うばかりだが…」 「終わりよければすべてよし、でございますよ」 カザリは何でも褒めてくれるが、ゼアレスはいまいち自信が無いままだった。 ただ、ここにいたい、と彼が思ってくれているということが聞けたのは本当に喜ばしいことで 出来るだけ叶えてやりたいと思うばかりだ。 「だがあいつの罪は消えないだろう… これから先永遠に抱えていくことになる それはもしかしたら、死ぬよりも残酷かもしれない」 生きていて欲しい、その気持ちは変わらない。 ああして笑っている姿を見るとずっと側で見ていたくなる。 だけれどそれはただこちらの勝手で、彼は生きている以上襲って来る罪の意識や深い闇に たった1人で立ち向かわなければならないのだろう。 「そうですねえ、化爿のわたくしに人間のルールや善悪についての口出しは致しかねますが… 以前お伝えしたように人の概念と神々の概念は別でございますから まあここで暮らすとなれば尚のこと、神々に委ねるしか無いでしょう」 結局、ツツジを人が法律の上で葬ることは出来ないだろう。 彼を殺したいのであれば彼が自分の意志で死を選ぶしかない。 人であり人ではなくなった彼の所在は後はもう神々の導きに従うしか無い。 「神々はツツジを許すだろうか…」 「さあ…どうでしょう。 まあそれ以前に、蜂蜜様がお戻りにならなければ我々は普通に山に葬られるでしょうねえ」 カザリは窓の外を孫でも見るような顔で微笑ましく見守りながら 危機感のカケラもなく、不吉なことを呟いた。 ゼアレスはため息をつきながらも、考えても仕方がないことだとは気付いていたので 仕方なくカザリの隣で窓の外を眺める。 庭師に怒られているツツジはいつものようにヘラヘラと笑っていて あんな風にずっと、笑っていてくれさえいればと思った。 彼があんな風にいてくれるなら、 自分はどうなっても構わない、とも。

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