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化け物同士 4

日が暮れローザは嫌だと言ったのにツツジに引っ張られて なぜか3人で大広間で食事をとらされるハメになってしまった。 いつの間にか気色の悪い関係になってしまったらしい2人の心模様を読みながらの食事は全く味がせず 2度と誘うなとツツジを叱っておいた。 ツツジの中には確かに、共感する部分や共通する概念があって それは今まで出会った人間の中には見つけられなかったもので 単純に、同じような感覚を持った存在がこの世にいるという事実は少々の安堵に繋がっているらしいと思えるが 同じ”個性持ち“といえどやっぱり他人であることは変わりない。 別に知りたくも無い情報が次々と脳を支配していく感覚は 例えどんな情報であってもあまり気持ちの良いものではないのだ。 寝込んでしまった分の作業もあったし、今日はなんだかどっと疲れてしまって 離れに戻ってきたローザはさっさと着替えてベッドに潜り込んだ。 サンルームから取り込む月明かりに照らされた部屋は、植物達の物静かで穏やかな感覚で溢れていて やはりこちらの方が落ち着けると感じる。 落ち着くと眠気が襲って来て、布団の中でうとうととしていると サンルームの奥の方からガサガサと物音が聞こえた。 「…?」 ローザは飛び起きて、薄暗闇の奥に目を向けた。 ジャングルのように植物が生い茂るサンルームの奥から、誰かの気配と音が聞こえる。 「誰だ…?」 声をかけるが返事はない。 ローザはベッドサイドに置かれたランプに手早く火をつけ、ベッドから飛び降りた。

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