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化け物同士 6
「よしこれでいいだろう」
ゼアレスの声が聞こえ、ツツジは振り返って微笑んだ。
「ありがとう、おじさん」
ツツジはいい加減に真面目に怪我を治すべく、火傷の薬を塗ってもらっていたのだ。
とはいえ、背中の火傷もまだ治らない内に手酷く痛めつけられてしまい
自分ではどうなっているのかはよくわからないが、一体どの傷から手をつけていいのやら、状態らしい。
「他は、痛むところはないか?」
「うん。へーき」
「本当に、か?」
ゼアレスに睨まれてツツジは瞬きを繰り返し、自分の身体を見下ろした。
「………足、ちょっと痛いかな…?」
別に我慢しようとは思っていなかったのだが、ついつい反射で答えるのに慣れてしまって
そんな風に改めて聞かれると確かに痛い気がしてくる。
ゼアレスはやれやれとため息をついた。
「骨折したところか?」
「んー…ふとももらへん…?こっちの」
どこもかしこも包帯だらけでどの傷が痛んでいるのかすらわからないが
彼に心配して貰えるのは悪い気はしない。
「少し炎症を起こしているな…感染症にでもなったらえらいことだぞ」
「そうなの…?」
「お前の“へーき”は2度と信用しない」
ゼアレスはそう言いながら、いつでも治療ができるようにと設置された
医療道具や薬が山盛りに置かれたテーブルから何かを探し始める。
ツツジは苦笑しながら足を見下ろすと、包帯を外された傷口は確かに酷い状態だった。
「うわ、グロ」
「少し染みるぞ」
「…ん」
ゼアレスは薬品に付けた綿を傷口にそっと押し当てる。
覚悟はしていたが、傷を抉られるような痛みにツツジは思わず唇を噛んだ。
そういえば針に貫かれた場所だ。
あまり思い出したくなかったが、ツツジはシャツを握り締めて耐えていた。
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