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化け物同士 7
「ここはあまり触らぬように」
「…うん、わかった」
新しい包帯を巻いて貰いながらツツジは頷いた。
たしかに嬉しいのだけれど、
こんな風に優しくしてもらえていいのかな、という
ちょっとした罪悪感のような気持ちも同時に湧き起こってくる。
こうして大人しくしていればいつか傷は癒えていって、罪人らしい風体ではなくなるだろう。
だからと言って自分を罰するためだと傷を掻きむしって、
この目の前の男を悲しませるのも違う気がして。
昼間にローザは、勝手に死ねばいい、という超過激な発言をしていたが、
一方的に痛め付けられればそのようなマインドになってしまうのも仕方ないのかもしれない。
でも自分は人にそうやって思われてきた方で、自分が思ってはいけないことは分かっていて
それゆえにどうしたらいいのかわからないのだ。
ツツジがまたぼんやりと考えていると、部屋の扉が静かに開いた。
2人は同時に顔をあげる。
「蜂蜜ちゃ…ん?」
部屋に入って来たのは、黄緑色の髪の子どもだった。
陶器のような白い肌に、青い大きな瞳。
汚れ一つない真っ白な服はサイズが大きいのかぶかぶかだった。
ツツジが最後に彼を見た時は、自分のせいで身体が透明になっている所があったのだが
今はそれが見受けられず、ホッとすると同時に彼の姿に莫大な違和感を感じ何も言葉を発せられなかった。
「なんか…小さくなったような…」
代わりにゼアレスが呟いた。
蜂蜜はにこりともせずに2人を見上げてくる。
その感情が読み取れない表情と無言で立っているだけでも感じる威圧的なオーラに
部屋の中を自由に吹いていた風も止んでしまった。
入り口から覗き込むように庭師が顔だけを出した。
「…人間は見ていて飽きない、消えかけたのは数百年振りだ。
怒ってはいない、寧ろ愉快に思う、よりによって穢れたお前に触れてしまった。
そうさせる程の何かがお前にはあるらしい。」
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