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第5話
「はあ、はあ、はぁ、ショウくん、遅くなってわりい。」
「くす。慌てなくていいって言ったのに。ほら、着替えてきなよ。」
「うん。」
カウンターの奥にある従業員の控室でオレは制服に着替える。
白いワイシャツに黒のネクタイ、黒いパンツ。
この店はバーだ。
しかし、ただのバーではなくてゲイバー。
当たり前だが客はみんな男だし、なんならショウくんもゲイなのだ。
着替えてカウンターへ戻る。
「あら。ミヅキくん、今日シフト入ってたのね。」
カウンター席にいたのは常連のお客様でユキさん(本名は幸久 さん)。
見た目は背の高い優男。話し方はオネエ口調だけど、オネエではないらしい。オネエの定義を知らないけれど、本人がそう言うからそうなんだろう。
けど、この人・・・・・・見た目はこんなんだけど、可愛い系が好きなバリタチだとか。
「ねえねえ、ミヅキくん。いい加減、私のものになる決心はついたかしら?」
そして何故かオレはユキさんにアタックされている。
「おーい、ユキ??前にも言ったけど、ミヅキはまだ未成年だからね??」
ユキさんと同級生のショウくんがめちゃくちゃ笑顔でユキさんに忠告する。
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