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【R15エロ有】第10話
解毒剤だと飲まされた薄緑色の液体は、爽やかなミント味だった。
(原料は何なんだろう…?魔界にもミント味の植物があるのか…?)
しばらくすると、確かにあの立ちくらみのような感覚は薄れてきた。
体はまだ力が入りにくいが、指くらいなら自由に動かせるようになってきた。
(あれ、…?)
しかし、しばらくたっても一向に体の熱がひかない。
そしてここで言う熱は体温だけでもなかった。
「あの…解毒、は…っ…、お、終わり…っはぁ…ですか…?」
なぜか目を閉じてじっとしている魔物に、僕は恐る恐る確認をとってみた。
ゆっくりと目を開けた魔物は、ぼんやりとこちらを見た。
(? どうしたんだ…?)
そういえば、二回目に召喚したリスに似た魔物も、最初こんな目をしていたよな……?
魔物に具合が悪いのかと声をかけた。
目前の規格外な強者にはいらない心配だとは思うが、そう簡単にトラウマを忘れることはできなかった。
「……問題ない。
お前の解毒だが、少し時間は掛かるが先程の薬で完了する。
…ただ、」
ようやく目の焦点を僕に合わせた魔物は、しっかりした口調で質問にも答えてきた。
しかし、続けて語られた内容によって、僕は安心とは程遠い心情になってしまった。
「この毒には催淫作用も含まれている。
それには解毒剤は効かないから、別に処理をする必要がある。」
(あー…、やっぱりそう、なのか……)
熱が引かないどころか悪化し、僕は今や会話をするのもやっとの状態だった。
腕が動かせるようになったら魔物が席を外してくれたら、すぐにでも取り出して扱きたい。
いや、もう魔物が居ても我慢できそうにない。
人前でもはばからず自慰行為をしたいと思うまでに、僕は追い詰められていた。
そして、そんな僕を魔物はさらに追い詰めてくる。
「まだ体に力が入らないだろう。っ仕方ないから私が処理してやる。 」
淡々と、差も当然とばかりに、白緑の魔物はそうおっしゃった。
え?
言われたことを理解しきれないうちに、自分に伸びてきた白い手。
その手はまず僕を自分の腕からベッドにそっと下ろし、次に丁寧に僕のベルトやズボンを緩めた。
「あ、の!…はぁっ…そ、そこまで、…はぁ、…しなくて、も…!」
「何を言っている。お前だって我慢の限界だろうが。」
魔物はそう言いながら、僕のズボンを下着ごと下へずらした。
そうして毒にやられ、魔物の口づけで完全に上向いてしまったそれを、あらわにしたのだった。
「はぁ…っ、じ、自分で…やる、ので、…はぁっはぁ、せ、セッティング…を、」
「まだ指が動かせる程度だろう。
いくら薬で過敏になっているからと言っても、そんな手ではいつになっても出せずに苦しむだけだ。」
僕の言うことなど、子どもの戯言とばかりに切り捨てていく魔物。
(うぅ…、確かに全ておっしゃる通りなんだけども…
だって、こんな、そんなことにさせるなんて……)
他人に、しかも殿上人のような魔物にさせるなんて…と抵抗感と申し訳無さが入り交じる。
でも魔物から指摘されたように、身体は我慢の限界を訴えていた。
熱くて、触りたくて、一刻も早く熱を吐き出したい。もうそれしか考えられなくなっていた。
だから、初めて他人の手に触れられてからは、その感覚を追うので精一杯になってしまった。
「はっ、…、ぁ、う…ア、……んンっ…」
魔物の少しひんやりとした手が、熱くて堪らない幹をしごく。
そして手を動かす魔物の視線は、なぜか僕の顔に注がれていた。
ペリドットの瞳が自分を、見苦しい状態の顔を、一心に見つめてくる。
(ぅ、そんなに見ないでくれよ…すっごく、いたたまれない……)
目の前の魔物には、中性的な美しさがあった。
その姿は幻想的な中に、どこか神聖さを感じさせるのだ。
一見、性的なものを感じさせないのに、今その手は僕の欲望をしっかりと握っている。
アンバランスな光景に、自分の中の背徳感が刺激されてしまう。
魔物の顔が目に入ることが憚られると、僕の視線は自然と魔物の手を追うことになった。
繊細な指先が、自分の性器を辿っていく。
裏側の筋や、上の方の括れ、尖端……
「ァ…はっ、ぁアッ……ぅ…」
緩く扱きながら、僕の反応が大きかった所を丹念に刺激する白い手。
その手は次々と漏れ出てくる先走りで、てらてらと濡れていた。
限界は、すぐに訪れた。
目も眩むような、白い解放。
毒薬の影響か、いつもより強い快感と長引く余韻。
そのあまりの気持ちよさに、涎と涙を垂れ流してしまっていた。
しかもそれすら、魔物に拭われてやっと自覚したほどだった。
魔物はその後も黙々と僕の後始末をしていった。
乾いた布で僕が吐き出したものを拭き取り、温かい布で汗や体液で汚れた部分をきれいにしていく。
そして下着やズボンをはかせ、ベルトを少し緩めに締めて完成。
それらはすごく丁寧で甲斐甲斐しく、一方的に好き勝手されたはずのこちらが恐縮しなければならない程だった。
「あの、魔力を取ったら…その、放っておいてもらって、いいんですが…」
これが毎回続くのかと思うと、羞恥心と申し訳無さでどうにかなってしまいそうだった。
それなのに。
「まだ言っているのか…
いいか、お前は私の監視・保護生育対象なのだから管理、つまり世話をするのは当然だ。
お前が何か…よ、余計な事を考える必要はないのだっ」
「え、ぇえ…?…」
家畜の世話みたいなものだから気にするなってことか…?
それにしても、なんで微妙にどもったんだ?
今までの堂々とした淀みない物言いとは異なる態度に、違和感を覚えた。
(まさか、召喚契約を結ばせるための新手の手口とか…?)
ただどちらにせよ。
この地味にダメージを食らう”お世話”に、僕は慣れるしかないようだった。
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