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【R18エロ有】第14話
中に入ると、そこには植物園のようなものが広がっていた。
どんよりと暗い空の下、魔界の植物らしきものが様々植えてあった。
(屋敷の方と、空気が少し違う気がする…)
気体の重さを感じられそうなほど、濃くまとわりつくような空気の感触。
そのせいか少し息苦しかった。
「……、」
もしかしたらここは、魔界に近い環境なのかもしれない。
植物の育成のためにはその方が適しているだろうと、整然と管理された庭園を見渡しながら思った。
(となると、空気や環境に害がないか様子を見た方がいいよな…)
体に異変が起きないか確認するため、しばらくじっと動かずにいることにした。
せっかく巡って来た脱出の機会はおろか、命まで無駄にするわけにはいかない。
「………」
10分程度その場で佇んでみたが、特に何も変化は起きなかった。
あとは遅効性の毒素がないことを祈るだけだ。
本棚の隙間にあった秘密の入り口は、こちらではアーチ状のゲートになっていた。
それに背を向けて、歩き出す。
しばらくすると、図書室で嗅いだあの甘い香りが鼻をかすめた。
(この植物園のどこかで、あの毒薬の素になる植物を栽培しているのかもな)
香りに誘われるように奥へ進むと、温室のような建物にたどり着いた。
(あの花だ…)
温室の中にあった、花壇の一角。
甘い香りの源は、白と薄紅色の可憐な花だった。
白から薄紅色へ中心に向けてグラデーションしている花弁は3センチくらいで、 ジャスミンに似ている。
鮮やかなエメラルドグリーンの茎は背丈が30センチほどで、花は一輪だけしかついていない。
花からだいぶ下がった位置には、細長い葉や蔓がまとまって生えていた。
どこかで似たような花を見たような気がした。
教科書や図鑑だっただろうか。
(それにしても、いい匂いだな…)
熟れた果実のような濃密な甘さのなかに、お香に似た厳かさ、植物の青葉の爽やかな苦み…
それらが複雑に絡み合った奥行きのある芳香。
癖になるそれを、肺いっぱいに吸い込んでみたい…
そんな欲求のまま、可憐な花達の住処にフラフラと近づいてしまった。
魔界の植物が、なぜ甘く薫るのか考えもせずに。
「っ!?!」
テリトリーに入ってきた僕に、花々は牙を剥いた。
手始めに、霧状の噴出物を顔めがけて吹きつけてきた。
迂闊にも顔を近づけていた僕は、それを思いっきり吸い込んでしまった。
「ゲホッゴホッ、ゴホッ、」
咽たのが収まる前に視界が、頭がクラクラしてきた。
(この浮遊感、あの毒薬に似てる…)
立っていられずその場に蹲るのを、待ち構えていたのだろう。
花々から蔓が勢いよく伸びてきて、首や手足に絡みつかれた。
僕はなんとか逃れようと平衡感覚を失いかけた体で藻掻いた。
蔓は伸縮性があって引き千切るのは手間取りそうだが、アサガオの蔓程度の太さで一本一本の力は弱い。
体が動くうちに、花達から距離を取らなければ。
踵で地面を蹴り、後ろ手に必死に後退しようとした。
しかし、周りの花達からも、蔓が続々と伸ばされた。
蔓の数が増えていくと、絡まる力も増していく。
蔓は僕を花々の方へ引き寄せようとしていた。
蔓と僕とで拮抗した力。
しかし、毒にやられ体からは徐々に力が抜けていく。
ズッ、ズズ…、ズズズ、ズズズ…
そうして最後には、蔓にズルズルと引きずられて花壇の中へ招かれた。
獲物を手元に引き寄せた花々はまず、僕の口に花弁を突き入れ噴出物と同じ味の液体を飲ませた。
カッと腹が熱くなり、その熱は全身へと広がっていく。
心臓がドクドクと脈打ち、体がさらに脱力していく…
僕を拘束する必要のなくなった蔓達は、今度は耳、首などに絡み始める。
「っぅ……ん、っぁア…!」
霞みだす意識とは裏腹に、皮膚感覚が過敏になっていく。
口内に居座ったままだった花びらにも、舌や上顎を撫で回される。
口も鼻も、毒の蠱惑的な甘い香りに満たされる。
むせ返るようなその香りに、脳まで侵されるようだった。
「ッアぁ!…っ!」
そんななか、突然もたらされた鋭い快感。
それによって服の上からも身体を弄られていることを、朧げな意識のなかで知ることになった。
そして、花が僕の魔力を吸い取り始めた。
それはほんの、ひとつまみ程度。
杖の先に光を灯すのにも満たない、ごく僅かな魔力だった。
それでも花は急激に成長、いや変化した。
花は僕の魔力に驚いたのか、すぐさま花弁を引き抜き距離を取った。
しかし花自体がみるみる大きくなるため、僕との距離はひらかない。
簡単に手折られる草花からヒマワリ、
さらに二階建ての建物に匹敵しそうなバナナの木サイズになっていく花々。
僕はその成長の様子を、根元でただ見ているしかなかった。
蔓もアサガオ程だったものが、僕の手首と同じくらいになっていた。
力も強くなり、先程まで中に入ろうとしていた僕の服を、いとも簡単に引き裂いた。
ベルトまで両端を持たれて、そのまま引き千切られた。
そして露わにされた上半身にも、下半身にも蔓が這い寄って来る。
服の無惨な姿から、痛みを覚悟した。
「ッッ”!!……っぁ?!?」
だが僕を襲ったのは、甘やかな刺激だった。
ヌメる液体を纏う蔓達が、首筋や鎖骨を辿る。
少し下がったところでは脇腹や臍をいたずらにくすぐる。
「っ、ぁ…ンっ…、…ハぁ…ッ」
毒の催淫作用もあって、そんな些細な刺激にさえ簡単に息が上擦った。
下半身に絡みついた蔓達も、何かを探るように蠢いていた。
ふくらはぎを揉んだり、膝裏を撫で、太ももの内側の柔いところをジリジリとなぞり上げるように往復する。
そのうち小指よりも細い蔓の数本が、後孔にまで入り込んできた事を奇怪な不快感で知った。
内部に侵入した蔓達は、我が物顔で狭い穴を探検し開拓していく。
そして嫌なことに、蔓から滲む粘液にも催淫効果があるらしかった。
異物感にわなないていた排泄器官は、次第にむず痒いような熱を持ち、ぬかるみ始めた。
「ぁっ、…んン…っ、…ハ、ぁっン…あッ!」
胎内へ潜る蔓の質量が増えるのには、あまり時間はかからなかった。
しばらくすると蔓達は、肉筒の中にしこりのようなものを発見したらしい。
気になるのか執拗に押したり、揉んだりしてくる。
痛くはないが、圧迫感と尿意に似た感覚が生まれることに戸惑う。
蔓達は人間には不慣れなのか、効果的な箇所をなかなか見つけられないようだった。
だがそれも時間の問題でしかなかった。
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