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【R18エロ有】第15話
「っ!!ア、…ンっ!…ハぁ…んんッ」
ある蔓が上下する胸に標的を見つけ、2つの尖りを転がしてきた。
それだけで身悶えた僕に蔓は構うことなく、赤く凝った突起をグリグリとすり潰すように押し込んできた。
「ッッ!、ひぃアっ!、ああ!ぁアっ!」
胸から流れた白い電流のような快感は、腰までを勝手に痙攣させる。
身体中に施される刺激にあてられて既に反り返っていた僕の性器は、その追い打ちにダラダラと透明な体液を滴らせる有様だった。
「ひぃっ!…は、あっ、…」
もちろん蔓達はそこにも遠慮なく絡みついた。そしてまずは探るようにつつき始めた。
括れや出っ張り、裏筋を焦らすように弱く刺激され、熱がさらに集中したところで擦り寄られた。
クチュ、クチュクチュ、ニュチュ…
蔓の先端から分泌される粘液と、僕の体液が混じり合い湿った音をたてる。
そして次第に音は激しさを増し、幹に巻き付くように這った蔓が力強く扱き上げていく。
「うっ!アっ、んン!あッ、ァ…!」
その摩擦が生み出す強い快感で、目の前がチカチカと白く点滅した。
訪れた直接的な性感に腰が跳ねるのが止められない。
それでも蔓達は手を緩めることなく、根元の球体をゆるく転がしたり、透明な汁を滴らせる先端をクルクル回すように擦ったりする。
そしてその穴を擦り抉るような強い刺激を与えられ、あっけなく限界を迎えさせられた。
「ッッッ!!っぅあッアアアっ!」
全身を震わせ白濁液を吐き出した僕を見て、蔓達は獲物の弱点をしっかり把握できたようだ。
太めの二本の蔓が、僕の両足に巻き付いて大きく開かせた。
ズズッ…、ニュチュ…、モゾッモゾモゾ…、ズルズル…
そうして、脚の間に集まってきた他の蔓達が動きやすい体制を整えた。
「ッ…あ、あぁ、いやだ、いらない、く、くるな…ッ!ッぁアアっッ!?!」
先程より数を増やした蔓達が、獲物をさらに嬲るべく性器への摩擦を再開した。
最弱点への責め手に呼応するかのように、他の場所の占拠者達も動き出す。
身体のあちこちを、目も眩む刺激に突っ張る足先までも蔓達は弄ぶ。
「アあっ!ヒっぁ…はっ、ンう”あああ”あ”!!…」
僕はもう、浴びせられる快感にただ打たれることしか出来なかった。
精と魔力を吐き出すことを強いられた身体と思考は、嵐の海の小舟のようにもみくちゃにされた。
グシャ、グシャ…
不気味な音が響いている。
それは、何かを噛み潰すような、咀嚼音に似ていた。
おぼろげな意識の中で、嫌な音だと思った。
それと同時に、強い性感が止んでいることに気づいた。
体も少し動かせそうだ。
ゆっくりと顔を動かし、あたりの様子を伺う。
「…ヒッ!?!」
花が、花だった魔物同士が、共食いをしていた。
成長しきったバナナの木のようだった花は、さらに二回りくらい大きくなっていた。
また姿も木の根のようなもので二足歩行をする魔物に変化していた。
俗に言う、トレントに近い。
それが5体ほどいたが、目の前で4体となった。
一際大きく成長した1体が、逃げ惑う他の個体を捕らえては食べていたからだ。
(見てる場合じゃないだろっ!今のうちに逃げないとっ…!!)
しかし、体はまだ完全には毒が抜けていない状態だった。
立てはするだろうが、歩くのはやっとだろう。
僕は仕方なく、ほふく前進のような形で、温室の出口を目指した。
移動速度はのろいが、花達の気は引きにくいはず。
(あと3体の魔物が咀嚼されたら…)
残った1体の、次の獲物となるのは、……僕だ。
後ろから聞こえてくる、捕食された魔物の悲鳴が僕を急かす。
(早くっ…早く、ここから離れないと…!)
しかし焦る気持ちとは裏腹に、地面に擦れるたび体からは力が抜けそうになった。
「はぁっ、…はァ…っ、…は、ぁっン…」
催淫効果の残る火照った身が些細な刺激にも快感を見出すせいで、体の操作が覚束ない。
(はっ、早く…っ!お願いだから、もう少し早く動いてくれよっ…!!)
来た時は数十歩ほどの距離しかなかったはずなのに、随分長く感じる。
なんとか半分まで、は来ただろうか。
背後で響く、咀嚼音が少し遠のいたように感じた。
(あと、5メートルくらいか…?)
後ろを振り返る余裕も勇気もない僕は、ひたすら温室の出口を見据えて這い進む。
(もう少し、もう少しだ…)
出口まで、あと1メートルもない。
手を伸ばせば、出口に触れる…
グイッ
「っ!!?」
右足に何かが巻き付いた。
続いて左足、そこからさらに腰にも同様に巻き付かれる。
前に進めなくなったと思った、
次の瞬間。
僕は宙に浮いていた。
逆さまになった視界に、 あの花が、花だった魔物が映った。
ヤシの木ほどあった大きさは、共食いによって逆に縮んでいた。
だが、感じる脅威は前の比ではない。
足腰に続いて、腕や上半身にも絡みついてきたしなやかな枝によって、逆さまでなくなった景色。
それによって、魔物の変化をさらに詳しく見ることができた。
木の根のようなもので二足歩行をする樹木の巨人のようだった魔物は、人に近い、亜人のような姿に変っていた。
長くうねるエメラルドグリーンの髪は、途中から細い蔓に変化しており自在に動かせるようだ。
所々に花の咲いた蔓は、髪飾りをさしているようで可愛らしい。
蔓や花を身にまとう上半身は、完全に人のそれだった。身長だけで言えば、僕より頭一つ分は小さい。
長い髪も相まって、少女のような印象をうける。
ただその下半身は、無数の木の根のようなものに変化していた。
今僕を持ち上げている、体に巻き付く枝もそのうちの一部だ。
こうして魔物の全身を観察できるのは、不気味なほどゆっくりと引き寄せられているからだ。
(これは…成長や変化ではなく、もはや進化だ……)
魔物の凄まじい変貌に、僕は自分の魔力の特殊性を認めせざるえなかった。
体感では、魔力は総量の4分の1も取られてない。
この花の魔物が、さらに僕の魔力を吸い取ったら…
一体…どうなるんだ……
愕然とするなか、僕はとうとう花だった魔物の目の前に突き出された。
アイスグリーン色の滑らかな肌と、可愛らしい顔立ち。
ぱっちりとした目にはまる、無邪気さが浮かぶ紅色の瞳。
「ッ!、ひっ…」
その紅と目が合って、背筋に冷や水を浴びせられたかのように怖気がたった。
そこに、加減を知らない幼子の、残酷さを感じたからだ。
花の魔物は僕をニタリと覗き込んで、”言った”。
"すごくおいしいのに、もう、タべれない…
でも、またタべるから…
ニゲルナ"
テレパシーのようなメッセージを受け取った直後。
「っあア"!?
っう"アぁああああッ!??」
蔓を、枝を、花を使い、魔物は僕の身体を蹂躙し始めた。
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