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04:すでにメロメロ

「っあ、うそっ、や、やだぁ……ッ!」  ひと通り、肩と首が終わったみたいで、今度は背中や腰に手のひらが這っていく。    体重をかけながらの指圧は、痛くもなく的確に、俺のイイところだけを責め立てる。  背骨に沿って、ぐっぐっと指で押されるたびに、微弱な電流みたいなものが背筋を駆け上がって。    さっきまで我慢していたせいか、反動のように、成す術もなく喘いだ。   「はっ、ァ……ッ、ぁあ……っ!」 「嫌ですか? ここ、痛いです?」 「ちがっ、ぁ、声、我慢、できな……っ」  さっきまではギリギリ耐えていられたのに、一度喘いでしまったら、もう抑えられなくなってしまうみたいで。    あまりの気持ち良さにぞくぞくしながら、裏返った自分の高い声がくぐもって聞こえる。   「我慢しないでください。変に力むと良くないので、そのままリラックスしてて……」 「っん、ぅあ……ぁあ゙……っ」  まるで耳許で囁かれているような気分になる、掠れた低い声。  落ち着こうと思うのに反して、身体はじわりと熱くなった。  ……マッサージされてるから、血行の流れが良くなってるんだよな、これは。 「っはぁ、ふ、ァあ……っ」  俺の、男の悩ましい喘ぎ声なんか気にもせずに、爽やかイケメン兄ちゃんは淡々とマッサージを続けていく。    背中と腰が終われば腕、間接や、手のひら。  そして太ももやふくらはぎや足の裏まで隅々揉んでもらったら、もう……。  全身がトロトロに脱力するほど、気持ちがいい。    触られることに少し慣れてきたのか、時間が経つごとに喘ぎはなんとか抑えられるようになってきた。  だけど時々、自分でも驚くくらい高く鳴いてしまう時があって、そればっかりはどうしようもなく……。  もう開き直って、素直に喘ぐことにした。    だってほんとマジ……、この人ゴッドハンド……。     「……次は、仰向けになってもらえますか?」 「……へぁ?」 「始めは硬かったですが、だいぶ凝りが解れてきたみたいなので、ストレッチします」 「……あ、はい……」  マッサージが終わってストレッチ、ってことは、この極楽なひとときももうすぐ終わりってことか?    少し残念な気持ちになりながらも、ほんとはまだベッドに融けていたい気持ちを耐え忍びながら、言われた通りに起き上がろうとした。   ──……だが、  身じろぎして、気づいた。 ……下半身に、違和感。  いくら気持ち良かったからって、まさか。嘘だろ、俺……。 「あ、あの……」 「はい」 「仰向けって、絶対ならないとだめですか?」 「そうですね……、せっかく筋肉が解れたので、身体に負担がなければ、軟らかいうちに伸ばしておきたいのですが……」 「そうっすか……」  どうしよう……。どうする……? ……いやもうどうにもならねえ。  マッサージされるのが気持ちよすぎて……、息子が元気になってしまった、らしい。

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