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 おかしな状況になっている。  宿直室に入って、お昼を食べながら話そうという試みだったはずだ。  お昼を一緒に食べる=テーブルに対面で座る、もしくは隣に腰かけるか…だよな。俺の認識は間違ってないと思う。  例え宿直室が一人用の部屋でテーブルが狭いとはいえ、どうにか二人分の昼食を乗せられたんだから、並ぶか対面で正解のはず。  なのに、今みーちゃんの膝の上に座らせられ、膝の上で飯を食う羽目になっている。  おかしい。  みーちゃんは、隙あらば俺に食べさせようとしているようにも見えるので、食べ終わるまで気が抜けない。  童貞で一途なみーちゃんの、この手の早さが怖い。考える間もなくスーーっと、いつの間にか膝に座らせられてた。手際が良すぎるんじゃないか?童貞の癖に。 「たくちゃん、前もそのサンドイッチ食べてたけど、好きなの?」 「あっ?好きっていうか、レタスとハムとトマト一気に食べられるってバランスいい気がするだろ?バランスいいもんが片手で食べられるってお得だよな。アパート帰ったって惣菜とか弁当で終わりだからさ。結局肉系になっちまうんだよ。だから昼飯は野菜とってるぞってな気分でこれよく食べらてるってわけ」 「ふ~ん。そういうわけだったんだ。どれどれ」  おい。どれどれで人が持ってる物をそこから食べるかね?これは間接キスというものになるんだぞみーちゃん。分かってるのか? 「普通に美味しいね」 俺は、この、手の中のサンドイッチをどうすればいいんだ?  どうすれば、どうすれば……手に持って震えていたら、サンドイッチを口許に近づけられたので、食べないわけにいかなかった。  みーちゃんと間接キス…いや間接キス程度でどうした俺。 「たくちゃん、食べないの?」 「いや、食べるぞ」 もそもそと小さな一口で食べてたら、肩に重さを感じた。 「たくちゃん、会いたかった……」 肩に乗ってきたのはみーちゃんの顎だった。あぁ、俺に会いたいってずっと思い続けてくれてたんだな。なのに俺はみーちゃんを忘れて、もさ男なんてあだ名つけて呼んでたんだ。…どんな気持ちだっただろう。毎日普通の同僚としてどころか、少しバカにされたようなあだ名で呼んでくる俺と過ごすのは…。 「たくちゃん……」 ん?顎の重さがなくなり、ちゅっ、ちゅっ、というリップ音と共に首筋に感じる生暖かさ…これは! 「みーちゃん?!」 「会いたかったよたくちゃん。やっと触れられる」 「んんっ、待って、俺不安な事が…」 熱さを増していくみーちゃんの唇に、どこもかしこも性感帯だらけで快楽に弱い俺は、このまま流されそうで怖かった。

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