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薄暗くなってきた風景の中でハンドルを握るみーちゃんを見る。さすがハーフだなって感じの鼻筋の通った鼻と長めの睫毛にぱっちりした目。前髪切ったのは、目にもよくなかったから大正解だとは思うんだけど、この顔を晒してしまったのは果たして良かったのかと思ってしまう。
看護師たちが騒いでたように、異性の目から見て非常にイケメンだ。10人いたら9人はイケメンと答える程度にはイケメンだ。
俺だけ見てるもさ男のままで付き合ったほうが良かったのかなと、いらない後悔がつきまとう。
「たくちゃん、何食べて帰ろうか?何か食べたい気分のものある?いきつけの好きなお店あるならそこでもいいし…」
いきつけの店。食べたいもの…。いやいやそんな悠長なことしてたら、俺んちでのんびりまったりイチャイチャなんて出来ないじゃん。お互い明日も朝から仕事。
只でさえ、昼休憩の時にイチャイチャしたから、身体はその先を求めてる。
そんなムラムラ状態でどうにか午後我慢して過ごしたんだから、俺一筋で生きてきてくれた童貞のみーちゃんの童貞を今日もらうしかないじゃん!悠長に外で飯を食ってる場合じゃない!俺たちの夜は短いんだ!
「たく、ちゃん?どうしたの?どこがいいか考え中?とりあえずたくちゃんの家の方角には向かってるけど…」
「みーちゃん俺ドライブスルーがいい!ドライブスルーで持ち帰って俺んちで一緒に食べよ!そうしよう!ねっ?!」
イケメンでしかもみーちゃんで童貞ときたら、もう辛抱たまらんになってきて、出来るだけ早く持ち帰って食べられるものを脳内で分析して答えを出す。
「吉○家!吉○家がこの通り沿いにあるからそこのドライブスルーにしよ!決まり!」
「たくちゃんがそれでいいならいいけど…。少し高いものでもお洒落な店でも良かったのに…」
「そういうのはまた今度!デートの時にでも!」
「そう?」
俺の必死の?訴えを聞いてくれたらしく、牛丼を買って持ち帰った。
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俺んちは1人で住むには十分な広さの2DK。物がゴチャゴチャしてるのは嫌いだから、細かい普段使わないような物はクローゼットの引き出しに突っ込んである。最低限の必要な物が出てればいい。
テーブルにはテレビのリモコンが置いてありゃ十分。
「さっ、みーちゃん座って座って。飲み物お茶でいい?車だもんな。あっ、泊まる?泊まるならビールあるよ」
「えっ?泊ま、たくちゃんちに泊まる?!……お、おちゃちゃ、お茶でいいです」
ローテーブルに対面で座ってグラスにお茶を注ぐと、頂きますを言い、牛丼をかっこんだ。
「そうかぁ。たくちゃんお腹空いてたんだね。だからガツガツ食べられるものが良かったんだ」
ニコニコしながらこちらを見ているみーちゃん。違う!俺がほんとに食べたいのはみーちゃんだから!今からがメインディッシュ!
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