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第33話好き

酷い頭痛と全身の倦怠感でジュリは目が覚めた。口はガムテープを貼られ、体は動かそうにも手や足は縄で縛られていて身動きが取れない。 ー-ヒートで動けないことわかってるのに縛るなんて、最悪・・・・・・。 薄暗い部屋の中、目を凝らしここがどこか確認する。よく見ると中には竹ぼうきやチェーンソーなどが保管されている。どうやらここは森の奥にある物置のようだった。 ー-苦しい……。早くここから出ないと……。 目を覚ました時から気づいてはいたが、ジュリの下着はもう蜜で汚れ体を少しでも動かすたび”ぐちゅぐちゅ”と音がなっている。ジュリはこんな状況でも、吐精したくて腰を揺らしてしまう自分が嫌になり眉間に皺を寄せた。 それでも、なんとか縄を解こうと身を捻らせているとドアの向こうからジュリを襲った二人の声が聞こえた。 「たまんねぇな、この香り……本当にやっちまっていいのか」 「もちろんよ、ベータの私でもフェロモンがわかるくらいね・・・・・・。どうせ男娼なのよ、見つかる前に早くやっちゃって!」 「そういう事なら遠慮なく」 ドアノブが回りギギッ、とドアが軋む音をたてながら開いた。 男はにやにやと涎を垂らしながらジュリに近づいてくる。 「すごい甘いな。お前の匂い部屋中どころか物置の外まで溢れてる。……だけどこんな森の奥まで誰もこねぇよ、残念だったな男娼くん」 「ん~、んん~!!」 男は舌でジュリの顎から頬を一舐めする。ぶるりと肩が震え恐怖で叫ぶもガムテープで口を塞がれているから声を出すことが出来ない。 「お前さすが『極上のオメガ』だな。こんな綺麗な顔の人間初めて見たわ。ま、いつも勇者様とやってんだろ?抵抗すんなよ」 そう言いながら男はジュリの足を縛っていた縄をナイフで切ると、ジュリのズボンとパンツを一気に脱がした。 「……さすがだな。もうぐちょぐちょじゃねえか」 ジュリの先端と後孔からは蜜が溢れ太ももの辺りまで濡れている。 ジュリは唸りながら抵抗するように右足で思い切り男の腹を蹴った。 「ぐっ・・・・・・てめぇ!」 男は腹を押さえ一瞬ひるむも、すぐジュリに殴りかかった。 男の拳が目の前まで迫り、ジュリは殴られる覚悟で目をぎゅっと瞑った、その時だった。 ”バンッ” 勢いよく扉が開き、驚いて目を開けると目の前にいたはずの男は部屋の隅で蹲りながら唸っていた。そして、その男の前には木の棒を手に持ったショウが仁王立ちで立っていた。 「ンン~!」 「ジュリ!大丈夫か!」 ジュリが必死に叫ぶとショウは今にも泣きだしそうな顔でジュリの方に駆け寄る。 ショウはジュリの口に張られたガムテープと縛られていた腕の縄を解くと、その細い体を折れそうなほど強く抱きしめた。 「ジュリ、ジュリ。すまない。怖かっただろう……」 「怖かった・・・・・・。だって好きな人に、ショウに抱いてもらえないのに、こんな知らない奴にやられたくないって……怖かった」 「それって……」 「僕ね・・・・・・ショウが、好きなんだよ」

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