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同窓会8(※)
side 蒼牙
「ふっ..あ、ああぁ!」
「くっ...!」
高く、感じ入った声が響く。
その甘い声と自身を覆う悠さんの胎内の締め付けに抗うことなく欲を放った。
その間も馴染ませるように緩く腰を振れば、「はっ、ん....」と耳元に堪らない吐息が掛かる。
「ん、大丈夫...?」
組み敷いた悠さんの顔を覗き込み汗ばんだ額に口付ければ、背中に回っていた手が後頭部を撫でた。
「大丈夫...だから、まだ抜くな...」
数度の絶頂を迎え、恐らく体が敏感になりすぎているのだろう。
抜くことすら快感に変わるから言ったのであろうセリフもこの状況下では逆効果だ。
「...!ま、て。なんでまたでかく...」
「仕方ないだろ。今のは悠が悪い。」
「んあっ!」
戸惑う悠さんから自身を引き抜く。
途端に甘い声を上げるのに満足しつつ、その体を抱き起こした。
「いきなり....んっ」
文句を言おうとする口に吸い付けば、すぐさま開かれる唇。
それに気をよくして何度も舌を絡めながら細い腰を抱き上げ、跨がるように足を開かせた。
肩に置かれていたしなやかな腕が首に巻き付き暖かくしっとりとした体が密着する。
何度抱いても足りない。
愛しくて、大切で...狂おしいほどにこの人を求めている。
想いを伝えるように抱き締めれば、悠さんがクスッと笑ったように感じた。
「.....少しは手加減しろ、バカが。」
チュッ...と唇を離しそんな可愛いことを呟く愛しい恋人に微笑みかけ、また口を塞ぐ。
チュク、チユッ...チュル...
戯れるようにキスを繰り返し、昂った自身を悠さんの後ろにあてがった。
先端で入り口を擽るように腰を揺らせば「んっ....」と甘い吐息が唇に触れる。
「愛してる....」
キスの合間に囁けばギュッと巻き付いた腕に力が込められた。
「も、はやく...んんっ...!」
悠さんの言葉を合図のように、抱き締めていた身体を一気に挿し貫く。
「はっ...あ、蒼牙...、」
「っ、」
肩口に顔を埋めたかと思うと、首の付け根に痛みが走った。
声を我慢するためか、快感を逃すためか...あるいはその両方か。
噛みつくことで耐えている身体に夢中になる。
「は、んっ....ばかや、ろ...あ、手加減...!」
「ごめん、無理だから....っ、!」
何度も下から突き上げ揺さぶる。
その度に上がる矯声すら飲み込み、自分のものにする。
快楽に震える体を強く抱き締めたまま...底などない愛しさに溺れていったー。
疲れはて、眠っている悠さんの頬を撫でる。
目尻は赤くなっており、何度も啼かせたことを少しだけ反省する。
だけどそれ以上に満たされた想い。
嫌がるであろうことをさせたことも、限界を越えるほどに求めた自覚もある。
自慰をさせることで過去に対抗しようなんて、ガキ過ぎる自分の我儘だ。
だけど...
恥じらいながらも受け入れてくれた。
きっと俺が隠しきれなかった嫉妬にも気づいていて、呆れながらも許してくれた。
他の誰も知らない、一番恥ずかしい姿と顔を見せることで、俺がこの人にとって特別な存在であると思わせてくれた。
俺の名前を呼びながら自らを慰める姿、あの表情。
思い出しただけで、下半身に熱が溜まるほどに淫らで。
目を離すことができなかった。
絶頂を迎え弛緩した体に痛いほどに昂った自身を埋め、何度も愛を囁きながら貪るように求めた。
「ごめんね、ありがとう。」
頬に掛かった髪を指で払いながら囁けば、僅かに睫毛が揺れ止まった。
起きる気配のない恋人にホッとしつつ、暖かい身体に腕を回す。
そうして柔らかな髪にキスを落とせば、悠さんの身体がモゾッ...と動いた。
無意識でも俺の腕の中に居場所を見つける。
その様子にフッと笑いが溢れた。
穏やかな気持ちが胸から全身へと広がっていく。
「おやすみ、悠....」
もう一度軽くキスを落とし呟く。
腕の中の愛しい存在に確かな安堵を感じつつ目を閉じたー。
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