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V.t.2

side 蒼牙 悠さんのアパートから直接職場に行こうと思い、ゆっくりと過ごさせて貰った。 起きた時にはもうニュースを見て寛いでいた悠さんを後ろから抱き締め、まだ寝ぼけた頭で昨夜のことを思い出していた。 昨日の悠さんは酔っていたためかとても可愛く、そしてエロかった。 甘い喘ぎ声を響かせ、俺が突き上げる度にビクビクと感じてくれる。 また飲ませよう…と密かに期待してしまうのは男の性だと思う。 時間が許す限り過ごし、時計を確認するともう出ないといけない時間が近い。 仕方なく重い腰を上げ出掛ける準備を始めた。 準備もでき玄関で靴を履いていると、後ろから悠さんに声を掛けられた。 「…今日は仕事が済んだら何かあるのか?」 「いえ、何もないですけど…どうかしましたか?」 どこか歯切れの悪い様子に、不思議に思い返すと「じゃあ、終わったらまた帰ってこい。」と言われた。 昨日からお邪魔してしまっているのと、帰りが遅くなるのとで、今日は自分のアパートに戻るつもりだった。 だから、言われたことにすぐに返事ができず一瞬黙り込むと、 「…都合悪いか?」 と心配そうに眉を下げる。 「違います!あの、俺はすごく嬉しいけど…悪いかと思って。連日上がり込んでるから。」 少し申し訳ない気持ちでそう言うと、「良いんだよ。」と笑われた。 「じゃあ、仕事頑張れよ。」 肩を小突き二ッと笑う貴方に「はい!」と返事をし、その手を掴んで手の平に口付けた。 「いってきます。」 そう言って手を離すと、「お、おう。いってらっしゃい。」と照れたように返してくれた。 『いってきます』 『いってらっしゃい』 貴方と交わすことができることが本当に幸せだと思う。 …仕事が終わったら、速攻帰ろう。 『帰りました』 『おかえり』 そう貴方と交わすだけで、疲れなんて消えるのだから。

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