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甘い時間

チュッ…クチュ…チュ、ピチャ… 触れるだけだったキスは少しずつ深くなり、蒼牙の胸の中に抱き込まれた身体はいつの間にか床の上に押し倒されていた。 「ン、…チュッ…ハァ、そう、が…ンッ…」 深く、激しくなる口付けに応えながら頭に手を添えた。 その時、ハッと気付いて蒼牙の胸を押し身体を離せと訴える。 「ンッ、蒼牙、は、なせ…」 「…すみません。ダメですか?」 俺が抵抗したことを勘違いした蒼牙は、そう言って少し身を起こし見下ろしてくる。 …ションボリ感が可愛くてつい笑ってしまった。 「違うよ。…お前、髪濡れたまま。さっき身体冷えてたんだから、ちゃんと乾かせ。風邪引くぞ。」 そう言って髪を撫でてやると、「…はい。」と残念そうに返事をしてきた。 蒼牙は身体を完全に起こすと、手を引きながら俺のことも座らせる。 もう一度ギュッと抱き締めてくると「本当にありがとうございます。」と囁いて洗面所に向かった。 …可愛くてグリグリしてやりたくなるな。 来年はもっとちゃんとしたチョコを準備してやろうと、ささやかな決意をした。 「食べても良いですか?」 髪を乾かし終えた蒼牙がそう言ってチョコを指差す。 「聞かなくても勝手に食べろよ。」 笑いながら差し出してやると「はい。」と嬉しそうに受け取る。 …可愛い。 なるべく包装紙を破らないように開けるから、余計に可笑しくて「ちまちま開けるなよ。」と笑いながら見つめた。 「笑わないでください。勿体ないでしょ、悠さんから貰ったのに汚く破いたら。」 そう言ってやっと開けた箱から一粒取ると口に入れた。 モグモグと口を動かしながら「…美味しいです。」と嬉しそうに言う。 「ん、良かった。」 あまりにも可愛くて乾かしてサラサラな髪をワシャワシャと撫でると、その手を掴まれた。 「悠さんも食べて下さい。」 そう言ってもう一粒口に入れると、そのまま顔を寄せてきた。 可愛かった犬から急に男の顔になる。 …ベタな展開だな、と思いながらも心臓が音をたてたのは確かで。 俺も目を閉じると、蒼牙の甘い口付けを受けたー。

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