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甘い時間5
俺から身体を離し立ち上がった蒼牙は「風呂、もう一回貸して。」と苦笑した。
どうしてかなんて聞かなくたって分かる。
「…ごめんな、蒼牙。」
蒼牙の言う通り、連日で受け入れるのは正直キツい。
気持ちは受け入れたいが、身体は悲鳴をあげるだろう。
…いつか慣れる日が来るだろうか。
「蒼牙…やっぱり俺が、ンッ!」
俺がやると言いかけた言葉は、しゃがみこんだ蒼牙の口で塞がれた。
チユ…
優しい口付け。
暖かいその温もりに、無意識に口を開いていた。
「…ン、フッ、」
舌を絡めて擽る。
歯の裏側を舐められ、舌先を擦り合わせる。
クチュ…ピチャ…
激しすぎない、でも確かな熱を感じる口付けに首に手を回して応えた。
「…ン、大丈夫だから。無理しなくて良いよ。」
至近距離で見つめながらそう言って微笑むと、もう一度軽く唇に触れる。
「……。」
「…蒼牙?」
そのまま急に黙ってしまった蒼牙の顔を覗き込むと、困ったような表情をしていて。
次いで紡がれた言葉に、クスッと笑いが洩れた。
「…いいよ。」
そう言って俺は蒼牙をギュッと胸に抱き締めた。
『だけど…悠の血が欲しい。』
俺の血でお前が満たされるのなら
いくらでもくれてやるよ。
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