63 / 347

甘い時間5

俺から身体を離し立ち上がった蒼牙は「風呂、もう一回貸して。」と苦笑した。 どうしてかなんて聞かなくたって分かる。 「…ごめんな、蒼牙。」 蒼牙の言う通り、連日で受け入れるのは正直キツい。 気持ちは受け入れたいが、身体は悲鳴をあげるだろう。 …いつか慣れる日が来るだろうか。 「蒼牙…やっぱり俺が、ンッ!」 俺がやると言いかけた言葉は、しゃがみこんだ蒼牙の口で塞がれた。 チユ… 優しい口付け。 暖かいその温もりに、無意識に口を開いていた。 「…ン、フッ、」 舌を絡めて擽る。 歯の裏側を舐められ、舌先を擦り合わせる。 クチュ…ピチャ… 激しすぎない、でも確かな熱を感じる口付けに首に手を回して応えた。 「…ン、大丈夫だから。無理しなくて良いよ。」 至近距離で見つめながらそう言って微笑むと、もう一度軽く唇に触れる。 「……。」 「…蒼牙?」 そのまま急に黙ってしまった蒼牙の顔を覗き込むと、困ったような表情をしていて。 次いで紡がれた言葉に、クスッと笑いが洩れた。 「…いいよ。」 そう言って俺は蒼牙をギュッと胸に抱き締めた。 『だけど…悠の血が欲しい。』 俺の血でお前が満たされるのなら いくらでもくれてやるよ。

ともだちにシェアしよう!