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想い2

side 悠 「貴方が好きです。」 真っ直ぐに俺を見つめそう言うと、秋山くんは綺麗に笑った。 その笑顔を見ると胸が締め付けられたようになって、何故か分からないけど泣きたいような気持ちになる。 その笑顔は反則だろ。 人がせっかく勇気を出して動いたのに、 秋山くんが想いを告げてくれたのに、 その笑顔のせいで声が出ないじゃないか。 「……ッ」 ちゃんと言わないと、俺もだよって。 「…悠さん?」 何も言わない俺に不安になったのか、少し垂れた目尻が細められる。 その表情を見たら緊張がほどけて、繋いでいた手をギュッと握り返す。 「…俺も、秋山くんが好きだよ。」 不器用に笑って見せ、真っ赤になった顔を俯かせてしまう。 …ダメだ、キスを仕掛けるより恥ずかしい。 だから俺のその言葉を聞いた秋山くんが凄く嬉しそうに笑ったことにも、その目が妖しく光ったことにも、俺は気づかなかった。 「…え?ちょっと…ンんッ!」 頬に触れていた手が顎にかかったかと思うと、俯いていた顔を上げさせられる。 目の前には秋山くんの綺麗な顔が迫っていて、びっくりするよりも先に口を塞がれた。 触れた唇はさっきと同じで優しく、何度も押し当てては離れていく。 離れた瞬間に息をしようと口を少し開けると、それを待っていたかのように唇が深く重なってきた。 舌先が触れ、ビクッと震えてつい逃げようとしてしまう。 けど、握っていた手を離されて、いつの間にか後頭部に回されていた手でガッチリと押さえられていて、逃げられなかった。 「…ンッ…ファ…ッ」 角度をかえて重なってくる唇は、舌を絡め時々上顎を擽ってくる。 …チュッ…ピチャッ… 互いの口から音がして、恥ずかしさにギュッと目を瞑る。 チュッ…と最後にもう一度軽く唇に触れ、ようやく解放された時にはすっかり腰砕けで、秋山くんに項垂れ掛かってしまった。 「可愛い…悠」 …スリッと頭に顔を刷り寄せられ、羞恥に顔を上げられない。 「うるさい…この遊び人が。」 恥ずかしさから悪態を吐いてしまう。 ギュッと抱き締められた身体が熱い。 まさかこんなキスを仕掛けられるとは思ってなくて、震える手で秋山くんの服を掴んだ。 「遊んでなんかないよ。」 クスクスと可笑しそうに笑われて、耳元で聞こえるその低い声にゾクッとした。

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