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覚悟

仕事が終わり悠さんにメールを送る。 『終わりました。今から向かいます。』 ホテルから出ると雪がちらついていた。 寒いはずだ。 でも寒いくらいが良い。寒さを理由に貴方を抱き締められるから。 悠さんを思うと心が暖かくなる。 俺より年上でしっかりしていて、男らしくて。 だけどキスをしたら凄く可愛くなる。 俺は本当に貴方が好きで、愛しくて。 だけど、もしかしたら今日で貴方を失うのかもしれない。 どんな顔をするだろう。忌み嫌うだろうか、それとも恐れるのだろうか。 怖い。 貴方に嫌われることが、失うことが怖い。 いっそ話さないでいようか…と思う反面、全てを受け入れて欲しいとも思う。 歩きながら吐いた溜め息は白く夜空に溶けていく。 もう何度目か分からない溜め息を溢した時、メールの着信を知らせる音がした。 『お疲れさま。風呂入ってたらメールに気付くの遅くなった。悪い。』 ………。 煽んないでよ。 こっちは人生掛けるくらいの決心で向かってるんだから。 悠さんのアパートに到着すると一度大きく深呼吸をする。 …よし。 覚悟を決めてインターホンを鳴らした。

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