side 悠 起こした身体を蒼牙に寄せて、「…お前が下になれ」と囁きながら軽く押した。 面白がるような、期待するような、そんな表情で横になった蒼牙が下から見上げてくる。 身体が熱く心臓が苦しい。 それがアルコールによる熱なのか、欲情による熱なのか…もう分からなかった。 堅く引き締まった腹筋に馬乗りになる。 自分の身体に纏わりついた浴衣が邪魔で帯をほどこうと手を掛けると、その手を捕まれた。 「…着たままで。凄くエロくてそそるから…」 「…ﾝ、」 欲望に火がついた瞳でそう囁きながら腕を撫で上げられ、その僅かな刺激にすら身体が敏感に反応してしまい一気に顔が熱くなった。 同じように浴衣姿の蒼牙を見下ろす。 乱れた袷からは鎖骨が覗き、捲れた袖からは筋が浮き引き締まった二の腕が伸びてきている。 …綺麗だな。 男に使うには変かもしれないが、素直にそう思う。 見つめたまま止まっていた俺に焦れたのか、大きな手が俺の肩から胸をゆっくりと撫でながら、「ここからどうしてくれるの？」と微笑んだ。 悪戯に胸の尖りを引っ掻かれ「ﾝｯ…」と声が上がる。 今日は誕生日だから…と俺も蒼牙に何かしたくて動いたは良いが、こんなに熱く見つめられると怖じ気付いてしまう。 「…あんまり見るな。」 蒼牙の目を隠すように手を顔に置き、その形の良い唇を塞いだ。 舌で唇を舐めると迎え入れるように開かれ、熱い口腔内を舌で探った。 …ｸﾁｭ…ﾋﾟﾁｬ… 音をたてながら何度も角度を変えて貪る。 俺の好きなようにさせていた蒼牙が、「…ﾝ、悠」と名前を呼び舌を甘く噛んでくる。 目を塞いでいた手はいつの間にか指を絡めて握られ、むき出しになっていた背中を反対の手が撫でてきていた。 …ﾁｭｯ… 音をたてて唇を離し身体を起こすと、俺は後ろに手を回して蒼牙の下半身に触れた。 「ﾝｯ…」 蒼牙が僅かに洩らした声と硬く主張しているそこに笑みが浮かんだ。 「ﾊｯ…その顔、堪んないね。」 自身を撫でられながらも余裕そうにそう言う蒼牙が、俺に変な対抗心を燃やさせる。 …コイツの余裕をなくしてやりたい。 俺を感じて、俺の事だけを考えて欲しい。 そんな欲求に襲われる。 俺は蒼牙自身を支えると、腰を浮かしてその上に跨がった。 蒼牙の手が震える俺の腰を掴み手伝う。 恥ずかしさや躊躇いが無いと言えば嘘になるが、それ以上に蒼牙と一つになりたいと思ったー。