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誘惑2
ゆっくりと唇を離し両手を蒼牙の顔の横につく。
「…何て顔してんだ。」
蒼牙の顔は赤く困っているような、戸惑っているような何とも微妙な表情をしていて、つい笑ってしまう。
「…だって悠さん、やることが男前すぎです。」
口元を押さえ悔しそうにそう漏らすから余計に可笑しくて、俺はその手を外してまた口付けた。
「…!!…ッ…もう!」
「うゎッ!」
小さく声を上げたかと思うと、蒼牙の手が肩と腰に回り、勢いをつけて態勢を入れ換えられる。
狭いベッドの中反転されて危うく落ちそうになり、慌てて蒼牙にしがみつく。
「…あっぶね~。」
呟くと頭上からクスクスと笑い声がした。
「押し倒されるのも新鮮で良いですけど、俺はやっぱりこっちが良いです。」
見上げた蒼牙は楽しそうに笑い、俺の頬を撫でてくる。
「…やっとその気になったか?」
二ッと笑いながら言うと、眉根を寄せて困ったように返してくる。
「やっとも何も、レストランから我慢しっぱなしですよ。…悠さん、無自覚に煽ってくるし。」
…煽ったつもりはないんだが…。
「ほら、自覚が無い。俺がどれだけ我慢してたか分かってないでしょ。」
少し呆れたように言われ、「そ、そうか。」としか言いようがない。
見上げた蒼牙はやっぱり綺麗で、だんだんと下がってくるその顔を俺は見つめていた。
「…ッ。」
重なってきた唇は熱くて、最初から深い。
舌を絡め、上顎を舐められ、歯列をなぞられる。
「…フ……ンッ!」
ピチャッ…クチュ…
時々漏れる音にも煽られ、俺も蒼牙の首に腕を回して舌を差し出した。
蒼牙の右手がシャツの隙間から差し込まれ、脇腹を優しく撫でる。
その刺激に思わず唇を離すと、耳朶を食まれた。
「…!」
思わず首を竦めると、
「…耳弱いんですね。」
と嬉しそうな声。
「…うるさい。」
反射的に睨むと「すみません。でも可愛いです。」と謝ってるんだかバカにしてるんだかよく分からないことを言われた。
だんだんと手の動きが大胆になり、脇腹、臍回り、胸元と上がってくる。指先が胸の尖りを掠めた時には俺にも余裕がなくなり始め、顔を背けてその刺激に耐える。
「…ンッ…。」
口元を手で押さえ声を抑えていると、首筋をなぞる唇が囁いた。
「…悠さん、イヤじゃないですか?」
不安そうな声。
「恐くないですか?…俺のこと。」
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