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5月19日 夜5(※)
「…ン、悠…ハッ…ハァ…」
蒼牙の息遣いが荒くなる。俺の中で脈打つ塊が、さらに大きく硬くなるのが分かった。
グジュ!グジュ!パチュン…!
「アッ、アッ、蒼牙…ン、気持ち良いか…?」
腰を前後に振り乱し、キュッと後ろを締め付けながら聞く。
でも俺の問い掛けに蒼牙は頬を撫でるだけで、何も答えない。
それが、興奮していた頭を一気に冷やしていった。
…そうだよ。
男の上に跨がり尻を振るなんて…なんて醜い姿を晒しているのだろう。
馬鹿みたいに快楽に溶けた頭でも、今の己がどれだけ浅ましいか理解できる。
気持ち良いかと訊ねておきながら、自分が悦くなっているじゃないかー。
そう考えると情けなさと羞恥心に襲われ、目に涙が溜まっていった。
腰の動きが止まる。
恥ずかしさと、蒼牙に呆れられたんじゃないかという不安で、身体が震えるようだった。
「…悠…泣いてるのか?なんで、」
俺の様子がおかしいことに気付いた蒼牙が、慌てて身体を起こしてギュッと抱き締めてきた。
暖かい胸と腕。
いつもなら安心する温もりが、今は少し怖い。
「悠…どうした?気分が悪い?」
心配そうに耳にキスをしながら囁く声も、背中を撫でる手も優しくて。
それに俺は首を振ることしかできない。
一度溜まった不安はどんどん大きくなり、とうとう俺は鼻を啜りながら泣いてしまったー。
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