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葛藤

side 蒼牙 俺が吸血鬼でも何でも良いと言ってくれた。 熱い湯に浸かり、涙を流して少し腫れぼったい瞼を押さえる。 悠さんと同じ香りのシャンプーを使い、まるで貴方に包まれているような気分のまま部屋に戻ると、無防備に寝転がる悠さんがいて。 本当は今すぐにでもその身体を貪りたいけど…だけどあんな話をした後で、どうして貴方に手を出せるだろう。 そう思ってベッド脇に座ると名前を呼ばれた。 強く手を引かれ、気が付くと貴方越しに天井が見えた。 俺の我慢なんか貴方に触れられたら簡単に吹き飛んで、そんな俺を笑って受け入れてくれる。 愛しい、大切な人。 想いが溢れてガッツキそうになる。 貴方の香りが、俺の本能を突き動かす。 だけど首筋に唇を寄せて貴方の香りに目眩がしそうな中、俺は臆病だから… 「恐くないですか?…俺のこと。」 確認せずにはいられなかった。 でもその確認は、改めて貴方の強さと優しさを思い知る結果になって、また涙が出そうになった。 「…ありがとう、悠さん。」 俺も貴方だから良いんです。貴方しかいらないんです。 そう想いを込めた。 『俺の血、お前にやるよ。…飲め。』 驚きに聞き返した言葉はあまりにも魅力的で。 ドクン、ドクン…と心臓が音をたてる。 その後に続けられた言葉は、俺を受け入れてくれた証なんだと悠さんの目が語っていた。 貴方の血を飲む。 そんなこと、許されるのだろうか。 俺の欲望で貴方を汚してしまうんじゃないだろうか。 『飲みたい』でも『飲みたくない』 2つの想いが葛藤する。 でも貴方が許してくれるから、 『…飲んでくれ。』 なんて本当にそれを望んでいるような瞳を向けてくれるから、 …俺は自分の欲望に負けた。

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