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内藤くんと蒼牙4

「え、えぇ!?マジで、相手男…?」 びっくりしすぎて、手元にあった食器をガチャガチャと音をたてさせてしまった。 そんな俺を涼しい顔して見ていた蒼牙はついに声を上げて笑いだした。 「内藤くん、動揺しすぎ。悠さんは立派な男だよ。だからごめんね。合コンは無理じゃないかな。」 ケラケラと笑いながら四杯目を頼む。 クッソ~!バレてた! 「ホント、内藤くんって面白いくらい分かりやすいよね。そんなに彼女欲しい?」 クスクス笑いながら言われて、俺はそっぽを向いた。 「欲しいに決まってるだろ!お前みたいにモテるヤツには分かんないだろーけど!」 最近すっかりご無沙汰な俺としてはけっこう切実なわけで。 いい加減『右手が恋人』状態は脱したい。 「ふーん…。俺は悠さん以外は嫌だなぁ。」 しみじみと呟く蒼牙に顔を戻すとチヂミを箸で摘まんでいた。 こんなにイケメンなのに、ゲイとか…勿体無いなぁ。 優秀な遺伝子は残してやらにゃ…。 アルコールの回った頭でバカみたいなことを考えていると、「言っとくけど、ゲイなわけじゃないからね。」と睨まれた。 「え、何で分かった!?」 考えていたことを言い当てられて声がひっくり返った。 「だから、内藤くん分かりやすすぎだから。…俺は悠さん限定、他の男なんて絶対にごめんだよ。」 次はイカの唐揚げを食べながら蒼牙は続ける。 「…て言うか、多分悠さん以外じゃ勃たないと思う。相手が女の子でも。」 「ブハッ!!」 言われたセリフにビールを噴いてしまった。 「うわぁ、散ったよ!」 ゲホゲホと咳き込む俺に「大丈夫?」と聞いてくる。 「お前、ゲホッ、それガチで言ってる?」 涙目になりながら尋ねると、「ガチだけど?」と首を傾げていた。 「…そっか。お前、本当にその『悠さん』に惚れてんだなぁ。」 そう呟くと蒼牙は照れたように笑っていて。 …うん、まぁびっくりはしたけど蒼牙が幸せそうだし。 そんな笑顔ができるような恋愛、なかなか出来ないよな。 「今度さ、悠さんに会わせてよ。」 コイツがそんなに大切にしている男に会ってみたいと思った。 蒼牙だって、ここまで言ってるんだから、きっと喜ぶはずー 「イヤだ。」 「…はい?」 「だって内藤くん、悠さんが気に入るタイプだし。絶対内藤くんもなつくと思う。だからイヤだ。」 えぇ!この流れで断りやがったコイツ! しかも理由がワケわからん!

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