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無自覚と警戒心7(※)

バスルームで簡単に身体を洗われた後、ベッドへと移動し蒼牙の好きにされている。 チュッ…チュッ、ピチャ… 「ハァッ…!ンッ…ンアッ…!」 鼻から抜けた、高い喘ぎ声。 うつ伏せにされ、尻を高く掲げた態勢で刺激に堪えている。 後ろから蒼牙の尖らせた舌が後孔に触れ、柔らかく解そうと抜き差しを繰り返す。 やわやわと尻たぶを揉まれ、時折前に回されては悪戯に自身を弄られまた離れていく。 その度に達していない自身は刺激に震え、解放を求めていた。 何度もイきそうになっては止められ、最後の一押しを逸らされる…。 『簡単にイかせない』 その宣言通り、蒼牙は今までにないくらい焦らしてきた。 クチュ…、グチュ、ピチャ…グチュチュッ…! 「ンッ…もう大丈夫かな…」 蒼牙の呟きが聞こえたかと思うと、 グチュ、グリッ! 指が一気に二本挿し込まれた。 「あぁっ!…んッ…!」 柔らかいベッドの上で身体を震わせる。 グチャグチャと卑猥な音が響き、中を擦られていく。 「ハッ…悠…」 名前を呼ばれ振り向けば欲に濡れた瞳が見つめていて、胸が苦しくなる。 「アッ、蒼牙…ンッ」 震える腕に力を入れて立たせる。 そうすることで蒼牙の指を締め付けてしまうが、蒼牙に触れたくて何とか腕を伸ばした。 「蒼牙…ンッ、ギュッてした、い…アッ」 そう呟けば少し驚いたような表情を見せたあと、嬉しそうに身体を寄せてくれた。 グチュ… 「ンアァッ…!」 一度指を抜かれ、グルリと態勢を変えられる。 仰向けになり見上げた蒼牙の顔は、興奮していながらも俺を試しているような、どこか愉しそうな表情をしていて…。 『反省してもらう』 その言葉の意味を必死に探る。 もっと自覚しろと言われても、何を自覚しろというのか…。 でも、いつも蒼牙は俺のことを無自覚だと言う。 雛森さんの時にはもっと警戒しろとも言われた。 …俺には警戒心が足りないのだろうか。 自分ではそんなつもりはないが、今日みたいなことがあった後ではそうなのかもしれない。 蒼牙に翻弄され快楽にボヤけた頭で一生懸命に考える。 蒼牙の瞳が細められ「何を考えてるの?」と頬を撫でられた。 「…お前の事だよ。」 そう答えると蒼牙は撫でていた手をピタリと止めて、じっと見つめてくる。 …強かったな。 あんなに怒った蒼牙を見るのは初めてで、静かな迫力で相手を畏縮させてしまった。 最後は暴力も出てしまったが、それを見てすっきりとした気持ちになったのは確かで。 蒼牙が俺の為にあんなに怒ってくれたことが嬉しかった。 ぐるぐると思考が回り、考えがまとまらない。 だけど… …正解は解らないけど、一つだけはっきりしていることがある。 俺は蒼牙の背中に手を回し抱き着くと、耳元に囁いた。 「好きだ…」 「…ッ…」 「ごめんな、いつも心配かけて…助けてくれてありがとう。」 だから…はやくグチャグチャにして。 他人に触れられた、あの感触を忘れさせて欲しい。 …そう願いを込めて伝える。 身体が快楽を求めて揺れる。 蒼牙に下半身を擦り寄せ、耳朶を甘噛みして続きを催促した。 「…ッ…!クソッ!」 「ああぁ…ッ…!」 腰を持ち上げられ、一気に蒼牙が挿入ってくる。 荒々しく擦り上げ引き抜く。 何度も、何度も。 強く突き上げ、かき回し、叩きつけるように腰を動かしては悦いとこを掠めていった。 グチュ…クチュ…、パチュ、グチュ…! 「あ、ぁ…ッ…はげし、アンッ!…も、イ、クッ…!」 「ん、良いよ…イッて」 「ンッ…ああぁッ…!」 蒼牙の身体にしがみつき、快感に身を委ねる。 溜まっていた熱が一気にせり上がり弾け、白濁が蒼牙と俺の腹を厭らしく濡らしていった。 今度は蒼牙も止めるようなことはせず、身体を震わせる俺を見つめながら頬を撫でてきた。 一度動きを止めると、ゆっくりと唇を合わせる。 「…悠、」 クチュクチュ…、ピチャ…チュッ、 吐く息すら飲み込むように口付けられ、飲み込みきれなかった唾液が顎を伝う。 それを舌で舐め上げると、蒼牙は動きを再開した。 「ハッ…悠、愛してる…」 耳元に囁かれる言葉に、身体が歓喜で震える。 蒼牙の愛情も、嫉妬も、怒りも、全て受け止めたい。 俺だけに見せてくれる、そして俺の為に見せてくれる激しい一面が愛しい。 「あぁ、ンッ…、もっと、アンッ!もっと…蒼牙でいっぱいにしろ、ンアァッ…!」 譫言のように呟き、強く蒼牙にしがみついた。 「ハッ…ん、悠に俺を全てあげるから…だから、悠も俺に全部ちょうだい…ッ…!」 グチュグチュグチュ…、パチュパチュ、グリッ…! 「ああぁ…ッ…!ンン!」 足を大きく開かれ、腰を高く持ち上げられた。 ベッドのスプリングを利用して、上から叩きつけるようにして蒼牙が穿ってくる。 ギシギシと軋むベッドの音、 繋がった場所から響く卑猥な音、 蒼牙の荒い息と噛み殺した声… 「…ッ…クッ!」 「あ、ああぁ…!」 やがて最奥に放たれた熱。 馴染せるように胎内を行き来する蒼牙自身に、甘い喘ぎ声が洩れた。 「ハッ…まだ、付き合ってもらうから…」 腰を下ろされ、腕を引かれる。 胎内に感じる蒼牙はまだ硬さを保っていて、その熱さに目眩がした。 向かい合わせになり蒼牙を跨ぎ顔を見つめる。 「泣き顔も可愛いね…」 そう言って目尻を舐められ、初めて自分が涙を流していたことに気付いた。 「あ、ちょっと待って…ンアッ…!」 再び下から突き上げられる。 大きな手が這い回り、胸、肩や背中、腰、尻…全てに強弱をつけて触れられた。 気持ち悪かったあの感触が全て消えていく。 蒼牙の首に腕を回し、口付けをねだった。 すぐに塞がれた唇は、蒼牙の性格のように優しくて…そして激しい。 「蒼牙…ンッ…アッ!」 「…ハッ、二度と触れさせないから…」 キスの合間に囁かれる。 気を失いそうな程の快楽と狂おしいほどの愛しさに、俺は声を上げ続けたー。

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