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引っ越し祝いの副産物5(※)

side 蒼牙 「ッあ、あぁッ!」 「···クッ!」 甘く、高い喘ぎが上がり、同時に強く締め付けてくる後孔に欲を放った。 ソファに座り、膝の上に背後から抱き上げていた悠さんの身体から力が抜けていく。 持ち上げていた足を下ろし腰に手を回すと、グッタリともたれ掛かってきた。 共に絶頂を迎え、互いのハァハァと荒い息が静かな部屋に響く。 腕の中で息を整える悠さんの顎をクイッと持ち上げると、俺は背後から口付けていった。 「ンッ、ハッ···蒼牙··」 チュッ、クチュ··· 名前を呼び開かれた唇から舌を差し込むと、すぐに絡まるそれ。 その様が愛しくて、腰に回していた手を胸元へと優しく這わしていった。 「···ん、悠··」 「あ、ちょっと、待て···ンッ、」 たどり着いた尖りをくるくると指の腹でなぞると、その手首を掴まれ口付けも中断される。 「···嫌?俺はもっと悠に触れたいんだけど···」 柔らかい耳朶を食みながら囁けば、「ンア···!」と甘い吐息が悠さんの口から洩らされた。 「あ··まだするつもりか··?」 首筋や頬、項、耳の裏···口で触れられる場所にチュッ···とキスを落としていくと、悠さんが小さな声で聞いてきた。 そのやや苦しそうな声にまで、まだ抜いていない自身が反応してしまう。 ···ほんと、際限ないな。 悠さんに関しては貪欲になる一方で。 今だって、本当なら十分に満足するくらい濃密に交わったばかりだというのに···。 自分の欲深さに呆れてしまい、自嘲気味に笑いながら汗ばむこめかみに口付ける。 「···するよ。だって、ほら···悠が欲しくて、まだこんなだよ。」 そう言って腰を揺らし、胎内に挿入ったまま熱を取り戻した自身で奥を刺激した。 「ンアッ···!」 途端に上がる高い嬌声と強まる締め付けに、腰に甘い痺れが走る。 背後から抱き締めたまま、身を捩る悠さんの姿を見つめた。 まだ身に纏っていたナース服は大きく乱れ、白い肩と肩甲骨が晒されている。 胸にある二つの尖りは赤く色づきピンッと主張していて、息をする度に上下に動く。 腰までたくしあげられたスカートは悠さんの吐き出した欲で濡れ、俺の腰を跨ぐ白く引き締まった腿が快感にピクッと震える。 あまりにも卑猥で淫らな格好···なのに綺麗で。 この人が自分だけのものなのだと思うとたまらなくなる。 ···これで欲情するなっていうほうが無理だよね。 自分に都合の良い言い訳を心の中でしながら、悠さんの下腹部に手を伸ばしていった。 達したばかりで堅さを失ったそこをゆるゆると撫でると「も、ダメだ···ンッ、」と言葉を詰まらせる。 「··でも···中は喜んでる」 「や···ばか、やろ、ンアッ!」 蠢き、まとわりついてくる胎内を堪能するようにゆっくりと腰を回す。 クチュ、クチ···と悠さん自身を愛撫しながら、繋がった場所にも手を伸ばしていく。 俺を受け入れてくれているそこを指でなぞると、「や、ぁっ!」と可愛い声が響く。 ···もっと感じて、グズグズに溶ければいい。 俺だけしか感じられないように、俺なしではいられないように。 のけ反り晒された白い喉が目に入り、そこに食らい付きたい衝動に駆られながら、悠さんを快楽に落としていく。 「あ、ん···もう、好きにしろ···ッ!」 やがて快楽に負けた悠さんが、背後を振り向き涙で濡れた瞳で俺を見つめてきた。 薄く開かれた唇からは乱れた息と甘い喘ぎ声が吐き出され、震える指先が俺の頬を撫でる。 その欲に染まった姿が俺の中の醜い感情を満たしていった。 「···ほんと、たまんないね」 「ふっ、ハッ···」 クチュ···ピチャ、 振り向いた顎を指で固定し、唇を奪う。 すぐに絡まる舌と柔らかい唇に夢中になっていく。 そうして、後ろ向きでキスに応えてくれる悠さんの身体を一度離すと、俺はクチ···と自身を引き抜いた。 「ンア··、そ、が···?」 「うん、向き変えるよ。」 微笑みながらそう告げると、力の抜けた身体を抱き上げてソファに押し倒した。 無意識だろう、自然と首に回された腕を愛しく感じながら耳元に囁く。 「悠···腰上げて、脱がすから··」 片手でナース服を引っ張ると「ん···」と腰を軽く上げてくれる。 協力的なその態度にクスッと笑いが溢れた。 やがてグシャグシャになった服を足元から抜き、無造作に床に落とす。 ソファの上で全裸で横たわる悠さんを見つめ、そのなだらかな腰を撫でながら微笑んだ。 ···ナース服も興奮したけど、悠さんはやっぱり自然な姿が一番綺麗だ。 「···あんまり見るな··」 俺が凝視しているのに気付いた悠さんが、小さく呟き顔を背ける。 腕で隠してしまい顔は見えないが、さらさらな黒髪の隙間から見える耳は赤く染まっていて。 照れているからか、それともアルコールのせいか···きっとその両方であろう赤く色づいた顔を両手で包み込み、俺の方に向き直させる。 「嫌だ、全部見るよ。だから··隠さないで。」 「···蒼牙··ん、」 ゆっくりと顔を近づければ、自然と伏せられる瞼。 チュッとそこに口付け音を響かせると、今度は鼻先にキスを落とし、次には口の端へ···と移動させていく。 頬を包んでいた俺の手に自分の手を重ねると、悠さんは綺麗に笑った。 「もう··全部見せてるよ···」 そう言って悠さんから口付けてくると、俺の身体を挟み込むようにして足を広げる。 誘われるままに膝裏に手を掛け腰を高く上げさせると、昂った自身を後孔に宛がった。 「ん···もっと、まだ足りない···」 キスの合間に囁きながら、悠さんの手を首に回させた。 チュクッ、クチュ··チュルッ··· 重ねた唇は熱く、絡まる舌と吐息は甘い。 もっと、もっと俺を欲しがって···それ以上に、俺は貴方を求めているから··· 溢れる想いを伝えるように激しくなる口付け。 俺を求めて無意識に揺らされる腰と、しがみつくように回された腕。 全てに煽られ···愛しくてどうにかなりそうだ。 「蒼牙···はや、く···ンアァッ!」 触れ合わせた唇から囁かれた言葉を合図に、俺は腰を強く押し付けていったー。

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