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電話の向こう3(※)

side 悠 自分から電話をかけ直した時には大丈夫だと思っていた身体の熱は全然治まってなんかいなかった。 蒼牙が息を吐き出した時には、まるで耳に吹き掛けられるかのようで··· 一気にぶり返した熱は全身に広がる。 『悠さん···今貴方にすごく触りたいです···』 「ッ、何言って···」 『いいから、ベッドに横になって目を瞑って···俺の声だけ聞いて···俺の言う通りにして···』 「·····、」 電話の向こうで低く甘い声が囁く。 耳元に響くその声は身体を甘く痺れさせ、抵抗することなんか出来なくて···俺は蒼牙の言う通り目を瞑った。 視界が暗くなると、自分の心臓の音と優しい声だけが全てで···まるですぐ側に蒼牙がいるかのような気分になる。 『俺···今、貴方の頬に手を添えてます··』 「····ん··」 僅かに震える手で自分の頬に触れる。 いつも蒼牙がするように、指先で耳朶を柔らかく揉んでみる。 『そのままゆっくりと··首筋に沿って撫で下ろして···シャツのボタンを外しますね···』 「ッ、そ、が···」 プチ···プチン····とボタンを外していく。 素肌が露になり、外気に晒されてゾクッとした。 『ほら···胸の尖りが見えた···可愛いね、恥ずかしくて震えてる···そこにキスしたい···』 「あ、やめ···!」 言われた言葉を想像して、ズクリと下腹部に重い刺激が走る。 蒼牙はいつも胸にキスを落とす、何度も何度も··· 熱い舌が絡まり、固く尖ったそれを吸い上げてくる。 『ほら···触って。俺がいつもするみたいに指で摘まんでみて···』 「ンッ、ふぁ···!」 クリッと摘まむと、自分の口から信じられないくらい高い声が出た。 『いい声···そのまま擦り合わせて、たまに押し潰したり···そう、上手···気持ちいい?』 「ハッ、ア···いやだ、こんなの···ンッ!」 蒼牙の言葉通りに指で刺激を与える。 頭では今のこの状況を止めさせたいのに、身体は操られるかのように意思に反して動いてしまう。 恥ずかしい···けど、気持ちいい。 アルコールと蒼牙の声で昂った身体はどんどん追い詰められていて。 自分で刺激したことない場所なのに嘘のように感じている。 「や、蒼牙···もう··ッ、」 何が『もう』なのか自分でも分からない。 『もう止めたい』なのか『もっとしたい』なのか··· 『ハッ···俺も、もっと悠に触りたい··もっと下、一番気持ちいいとこ···』 「ンッ、あ···」 導かれるように手が下に下がっていく。 ボタンに指がかかりそこを弛めようと動く。 『腰を浮かせて、脱がすよ···ほら、もうこんなに硬い···』 脱ぎ去ったスラックスと下着をベッド脇に落とし、自分の下腹部に手を伸ばした。 蒼牙の言う通りそこは熱く昂っていて···脈打つ自身に指を絡めて上下に撫でる。 「あっ、ン···フッ···!」 堪えようのない喘ぎが口から漏れ、羞恥で顔が赤らんでいく。 なのに気持ちよくて···すでに滲んでいた先走りを塗り込んでいった。 『ッ、すごいね···もう濡れてる··。』 「あ···見るな···!」 まるで見えているかのように言い当てられて、思わずそう呟いた。 見えているわけなどないのに··· 『ダメ···全部見るよ···見るだけじゃ足りない··そこにキスもする··』 「ッ!フッ···」 そう言ったかと思うと、続いて耳元にチュッ···と音が鳴り響いた。 繰り返されるリップ音が本物の蒼牙の愛撫に感じられて。 躊躇いがちだった手の動きが大胆になるのを止められない。 ヌチュヌチュと卑猥な音と、ハッ··ハッ··と荒くなる自分の吐息。その両方が更に俺を追い立て、高めていく。 クチュクチュ··ヌチュヌチ、ヌチュ··· 『どんどん溢れてくる···悠はどんな姿も綺麗でたまらないね···』 「も、変なことばっか···言う、な···ンアッ、」 『クスッ···でもすごく感じてる··もっと乱れて···?』 自身を扱く手が速くなる。 強弱をつけた動きで全体を擦り、先端に指で刺激を与える。 無意識のうちに腰が揺らめき、背筋を這い上がってくる快感が一点に集まる。 「あっ、蒼牙···キスした、い···」 『ッ!!良いよ···いっぱいキスしよう···ンッ、』 気持ちいい··· 蒼牙の声で自慰をしていることの背徳感も、全て聞かれていることも、もう何も考えられない。 分かるのはこの熱を解放したいという欲求と、蒼牙とキスをしたいという欲望だけで。 チュッ、チュッ··· また耳元に聞こえてきたリップ音に、目頭が熱くなった。 触れたい···あの暖かい肌を抱き締めたい··· 「フッ、う···ンアッ、蒼牙···蒼牙···」 泣きたいような気持ちで蒼牙の名前を呼んだ。 『いるよ、側に····強く抱き締めてる··ほら、ね··?』 「う、ん····ハッ、も、ダメ···!」 熱のこもった···けどどこか優しい声に包まれ、安心するのと同時に自身の限界を感じた。 『悠···悠···ッ、』 「っ、あァッ···!」 名前を呼んでいた蒼牙の声が色っぽく詰められたとき···手の中で自身の熱が弾けたー。

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