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確めたい2(※)
side 悠
「ッ、ハァ···悠、大丈夫···?」
覆い被さってきた蒼牙の掠れた声が耳に囁かれる。
熱い吐息と色気のあるその声に身体の底が疼いた。
「ウッ···ンアッ、ちょっと··ま、て···」
それでもそんな疼きとは別に、受け入れている後ろは悲鳴を上げていて。
深いところまで入ってきた蒼牙自身が熱く脈打っているのが伝わってくる。
いつもなら丁寧に解してからの行為、だけど今日はお互いそんな余裕が無かった。
早急に繋がったそこはジンジンと疼き、自分がいつも以上に蒼牙を締め付けているのが分かる。
正直、痛いし苦しい···けど、すごく愛しい。
「悠···、悠···愛してる···」
「フッ···ん、····あ··蒼牙···」
ゆっくりと重なってきた唇は温かく、大きな手が髪を撫でる。
何度も名前を呼び愛しそうに見つめられれば、胸が苦しいほど幸せで。
そうして蒼牙が優しくキスをしてくれる度に身体から余計な力が抜けていく。
『酷くするかも』と言っておきながら、ゆっくりと腰を押し進めてくれた。
自分だってキツいだろうに···そこが馴染むまでこうして待ってくれている。
本当に···なんて優しくていい男なんだろう。
誰にも渡したくない。
感情も熱も欲も···全てを俺だけに向けて欲しい。
「ハッ、蒼牙··もう大丈夫···」
すぐ目の前にある綺麗な顔を両手でソッと挟み、微笑んでみせた。
まだ少し苦しいが、そんなことよりも早く蒼牙に気持ちよくなって欲しい。
あの気を失いそうな快感と、溶けるような幸福感を味わいたい。
そんな思いを込め、今度は俺からキスをした。
チュッ··チュ···クチュ···
奪い合うようなキスとは違う、お互いを慈しむようなキス。
こんなにも幸せなキスは蒼牙としかできない。
「···ん、はや、く···」
繋がった場所が切なくキュッと絞まるのが恥ずかしい。
こんなにも···ここは蒼牙のことを求めてる。
無意識のうちに腰を揺らしてその先をねだった。
「ハッ、煽りすぎ···」
「ンアッ!ん、」
男らしくニッと笑い、蒼牙は急に身体を起こした。
そうすることで中に入っている熱がグリッと動き、そこから信じられないような快感が広がっていく。
「ッ、も、我慢しないよ···」
「え··?アッ!···ンッ···ンアッ!」
言葉に続いて蒼牙は腰を引き、そしてまた押し入ってきた。
グチャ、グチュ···と卑猥な音が聞こえ、それに合わせて快楽の波が押し寄せてくる。
互いの先走りが潤滑油替わりとなり、ゆっくりだったその動きが少しずつスムーズになっていく。
グチュ··グチュ··グチュ··グチュ···
「あっ、あっ、ンッ、ンアッ···!」
一定のリズムで揺さぶられ、その度に洩れる高い声が抑えられない。
気持ちいい···
感じていた苦しさまでもが快感に変わり、貪欲になった身体がさらに蒼牙を求めているのが分かる。
「ん、悠···気持ちいい··?クッ··ンッ···」
「····もち、いい··ンアッ!蒼牙···そう、が···!」
熱っぽく堪えきれない喘ぎ声が蒼牙の口からも洩れ、嬉しくて胸がギュッと苦しくなった。
蒼牙も感じてくれている。
他の誰でもない···俺のことをこんなにも愛してくれている。
それが死ぬほど嬉しい。
「あ、んっ!···蒼牙···ハッ··もっと側に···!」
締め付けられる胸の痛みを訴えるように、高い喘ぎ声と共に手を伸ばした。
その手を握り返し、指先にキスを落とすと蒼牙が艶っぽく笑った。
「いるよ、側に···ハッ、ほら···」
そう言って起こしていた身体をもう一度倒すと、俺に覆い被さりギュッと抱き締めてくれた。
「ん···ハァ···蒼牙···ッ、」
温かい身体が愛しくてその広い背中に腕を回した。
浮き出た肩甲骨を撫で上げると「んっ!」と声を詰まらせた蒼牙が一度動きを止めた。
「ハッ···もう、ほんとに限界···激しくするから··ンッ、掴まってて···」
チュッ···と耳にキスを落とし囁くのに、俺も頷いて応えた。
もっと···と求めているのは俺も同じだから。
中にいる蒼牙が愛しくて、愛しくて···この熱に翻弄されたくてキュッと後ろを締め付けた。
「クスッ···可愛い···悠·····そんなことして··知らないから····!」
「あっ、ンアッ、あっ、あっ、ンンッハッ··!!」
穏やかに繰り返されていた抜き差しが、一気に激しさを増した。
「あ、あっ、そう、が···ンアァア!」
きつく抱き締められ、遠慮のない腰使いで奥を穿たれる。
あまりの勢いにずり上がりそうな身体を、力強い腕が抱き寄せ引き留める。
引き締まった腰が打ち付けられる度に肌のぶつかりあう淫らな音が響き、繋がった場所から聞こえる水音と交ざりあって鼓膜を震わせた。
「クッ···悠の中、熱くて···最高···ハッ!」
グリュグリュ···グチュッ、グリュリュ···!
「あっ、ンッ···あああっ···!」
奥まで届いたかと思えばそこで小刻みに揺らし、硬い切っ先が腹の中程にある凝りを擦り上げては強い刺激を送ってくる。
抱き締められ、与えられる快感を逃すことができない。
「だ、め····もう、ンアッ、あっ、い、く···!」
必死に伝え、蒼牙の背中にしがみつく。
思わず立ててしまった爪が綺麗な背中に紅い線を残していった。
「ハッ、ハッ···いいよ、俺も···ンッ、一度出す、から···!」
「ああっ、ンッ!····んああぁ···!!」
駆け上っていく射精感が限界を迎え、互いの腹の間で欲を放った。
あまりの快感に大きく仰け反れば、顎に蒼牙の濡れた唇が触れた。
「クッ、ウァッ·····!!」
「あ、そう···が···!」
蒼牙が息を止める。
それと同時に、身体の一番深い場所で熱い迸りが放たれるのを感じたー。
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