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デートしましょう4(微※)
「まて、蒼牙···!ッ、」
すぐ側に感じる蒼牙の身体を押し戻そうとした手を掴まれる。
俺自身に伸びてきた手はやわやわとそこを擦り、洩れそうになる声を押し殺した。
「悠さんはスクリーンを見てたら良いですよ。俺は怖いから、悠さんを見てます。」
「ンッ、これ、『見てる』とは···言わない···っ」
チュッと喉にキスを落とされ声が詰まった。
擽ったいだけではない。
明らかに沸き上がる快感に背筋がゾクゾクとした。
「あ、やめろって···蒼牙、」
捕らわれていない方の手で、内腿に触れる蒼牙の手を掴む。
すると両手ともスルリと指を絡められ、クイッと引っ張られた。
「わっ、ンッ···」
倒れ込みそうになった身体はそのまま蒼牙の胸で支えられ、驚きに開いた唇は蒼牙のそれで塞がれる。
チュッ···チュク、チュ···
「ん、はっ···」
優しく唇を吸われ舌を絡められれば、腹の底がムズムズとした感覚に襲われていく。
繋いだ手は逃さないと言わんばかりにキュッと握られ、密着した身体からは蒼牙の熱と香りが伝わってくる。
チュル、チュッ···
濡れた音とともに唇が解放される。
ゆっくりと目を開けば、そこには俺を見つめる優しい···けれどどこか獣を思わせる瞳と視線がぶつかった。
「ね、どうしても嫌ですか···?」
「え···」
囁きながら目尻にチュッとキスされる。
「悠さんがどうしても嫌ならしません。けど、恥ずかしいだけなら···少しだけ触らせて下さい。」
握っていた手を離し背中に腕が回される。
グッと強く抱き締められ、その力強さに不覚にも心臓がドクンと跳ねた。
「···蒼牙、」
「本当に少しだけ。···悠さん、おあずけにするくせにメチャメチャ煽るんだもの。昨日の夜からずっと我慢してます。」
熱く掠れた声が耳を擽る。
昨夜は祖父母がいるからとキスだけを繰り返した。
そしてさっきも、怖がる蒼牙が可愛くて思わずキスをしてしまった。
昨夜も今も、俺から仕掛け···そして止めさせようとしている。
「大丈夫。周りは暗いし、音も大きいから人には聞こえません。悠さんを気持ちよくさせるだけ··それで止めるから、だから触らせて···」
熱い吐息を吹き掛けられ、耳朶を食まれれば···抵抗する力なんて奪われてしまう。
「···蒼牙··ん、」
蒼牙の頬に手を添え、覗き込むようにして唇を触れ合わせる。
「悠さん···」
言葉よりも雄弁なその口付けに、蒼牙がフッと笑ったのが分かったー。
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