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アニマルパニック4(※)
チュッ...チュクッ、
「蒼牙...ん」
キスの合間に名前を呼べば、それに答えるかのように熱い舌が絡まってくる。
舌の根元を擽られゾワゾワとした感覚が背筋を這い上がり、舌先を吸われると甘い痺れがそこから広がっていく。
何度も角度を変えて交わす深いキス。
息継ぎのために僅かに唇を離し鼻先が触れあう距離から蒼牙の様子を窺えば、同じように見つめてくる熱のこもった蒼い瞳と視線が絡まった。
「悠....」
「っ、」
名前を呼ばれただけでズクリと腰が重く疼いた。
思わず蒼牙の服を握りしめる。
すると、その手を蒼牙に優しく外され...そのままグイッと後ろ手に回された。
「え、蒼牙...なにを...」
反対側の手も同じように後ろに回され、大きな手で一纏めに掴まれる。
急な動きに戸惑い咄嗟に対応出来ないでいると、蒼牙はニッコリと微笑んで見せた。
「悠が俺の姿にドキドキしたように、俺も貴方の姿にドキドキしたいな。」
「な、何...んん!」
優しく微笑む表情とは裏腹に面白がるような声でそう言うと、蒼牙は噛み付くように口付けてきた。
深く重ねられた唇から舌が差し込まれ、口の中を蹂躙される。
歯列をなぞり、頬を擽り、誘い込まれた舌を甘く噛まれた。
仕掛けられたキスに翻弄され身体を捩るが、両手を後ろで固定されていて思うように動けない。
「んっ、ふ....チュッ..そ、が...ん、離せ..」
「クスッ、ダメだよ...」
言葉と共に腕を動かしてみるが、蒼牙は笑いながらそう言うだけで掴まれた腕はびくともしない。
そうしてまた重なる唇と絡まる舌。
濃厚なキスを交わし口の端から溢れる唾液を舐め取られる。
空いている手でゆっくりと胸をまさぐられ、やがてシャツのボタンをひとつひとつ外していく。
蒼牙の手が動く度に擽ったいだけではない感覚が肌を粟立たせていった。
「悠...ん、...」
甘い声と吐息が唇に掛かるのにも感じてしまい、だんだんと頭がボーッとしてくる。
与えられる情熱的なキスに俺からも舌を絡め吸い付いていていった。
チュッ、チュッ...くちゃ...
カチャ
「.....え、」
夢中で蒼牙のキスに応えていると頭に訪れた違和感。
咄嗟に離した唇はじんじんと痺れ、それまでのキスの深さを表していて。
「ほら、やっぱり可愛い...」
「な...!」
蒼牙の嬉しそうな声が聞こえるのと、自分の頭に何かが着いているのを認識するのは同時で。
腕をグッと動かそうとすれば、蒼牙がそれをさせまいと同じように力を込めるのが伝わってきた。
「お前、まさか...!」
びくともしない腕に若干の焦りを感じながら目の前にある綺麗な顔を睨み、その頭に視線を向けた。
しかし予想に反して蒼牙の頭にはウサギの耳が着いたままで。
「ふふっ。何が着いてるか気になる?」
そう聞いてくる蒼牙の声がやけに楽しそうなのは気のせいなんかではないと思う。
「....聞きたくない。」
昨日からの流れで、頭に何らかの動物の耳を着けられているのは明らかだ。
自分が今どんな姿になっているのかなんて、恥ずかしくて知りたくもない。
そう思って嬉しそうに微笑む蒼牙から顔を背ければ、開いた胸元に大きな手のひらが差し込まれキュッと乳首を摘ままれた。
「んぁっ!」
「ここ少し尖ってるね。キスで感じた?」
チュッ...
クリ、クリクリ...
晒された首筋に吸い付きながら、蒼牙が指を擦り合わせるようにそこを刺激してくる。
「あ、あ....やめ、ん...ふっ、」
胸元から広がる甘い快感に高い声が上がる。
自由にならない身体を動かせば下半身を蒼牙に擦り付ける形になってしまい、余計に熱をはらんだ吐息を洩らしてしまう。
「悠...ベッド行こう?」
ゆっくりと首筋を舐め上げられ、吐息と共に耳元に囁かれる蒼牙の声も上擦っていて。
昂っているのは自分だけではないのだと...そう思うとなんだか堪らなくなって、小さく頷いた。
「手を離せよ...」
抱き締めたいのにそれができないのが嫌でそう呟けば、蒼牙はクスクス笑いながら瞳を覗き込んでくる。
「良いけど。頭のもの取らないでね?....取ったら、一晩中抱くから。」
「....っ、ほんと性格悪い、」
先に先手を打たれてしまい、悔しくて蒼牙の瞳を睨み付けた。
するとそんな俺の表情を見てますます蒼い瞳が楽しそうに細まっていった。
「いいね、その顔。本当に黒猫みたい。可愛い...」
そう言って拘束していた手を離すと、ギュッと抱き締められる。
黒猫みたい...って
くそ、猫耳か....!
鏡を見なくても分かってしまった自分の姿。
さぞかし滑稽だろうに、蒼牙は嬉しそうに見つめてくるから。
俺もこいつのウサギ耳にやられたのだから...お互い様なのか?
やや諦めにも似たため息をつきながら、広い背中に腕を回した。
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