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アニマルパニックおまけ

(内藤くん目線) 「蒼牙...」 「ん?なに?」 「....その弛んだ表情、気持ち悪い。」 スタッフルームでの休憩中、ニコニコと上機嫌な蒼牙にタメ息が出る。 昨日バカみたいな相談にのり、一夜明けてみればこの様だ。 何があったのかなんて聞かなくても分かるだけに、俺のタメ息は深いものになった。 「ひどいなー。俺は内藤くんに感謝してるのに。」 ニッコリと笑うその様子に座っていた腰が浮きかける。 ダメだ。 このパターンは盛大なノロケが始まるやつだ。 逃げないとまた砂を吐かされる...! 「いらないよ、感謝なんて!じゃあ俺は先に戻るから。」 「え、まだ休憩始めたばかりなのに...ゆっくりしていきなよ。」 「もう十分!じゃーな.....ん?」 そそくさと椅子から立ち上がり蒼牙に背中を向けようとしたところで、持っていたスマホがメール受信の点滅をしていることに気付いた。 『篠崎悠』 画面を見て一瞬で固まった。 なんでこのタイミングでメール来るかな!? そうは思うが悠さんからのメールを無視することはできないのも事実で。 恐る恐るメールを開いて、サーッと血の気が引いていく。 『蒼牙から聞いた。次会ったときは歯を食いしばれ。』 「どうかしたの?内藤くん....あ、悠さんからだ。」 その場でフリーズした俺のスマホを覗いて、蒼牙が嬉しそうな声を出す。 「カッコいいなぁ。」なんて感想を言ってるコイツが憎たらしい。 「サイテーだな!お前!」 「そんなに褒めないでよ。それより、昨日のことだけどね....ん?悠さんからだ...」 しゃあしゃあと話し始めたところで、蒼牙のスマホも着信を告げた。 そしてそれを読んだ途端に蒼牙も固まってしまった。 「...何言われたんだ?」 ヒョイッと蒼牙のスマホを覗いてみれば。 『内藤くんに話してみろ。お前の荷物は全て捨ててやる。』 「「................」」 互いに無言のままスマホをしまう。 なんだろう。 監視カメラでもついているのだろうか.... 「...仕事に戻るか。」 「....そうだね。」 俺より高い位置にある肩を叩きながら呟いた言葉に力なく返す蒼牙が可笑しくて、つい笑ってしまう。 俺としては砂を吐かなくて助かったけど。 でも次に会ったときには確実に殴られるのだろうな。 どうしてこうなったのか... 考えるのもバカらしくて、俺は蒼牙と二人でフロアに戻ったー。

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