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第14話※

お風呂から出た歩は、いつものように辻堂に呼ばれ、いつものようにソファに誘導される。 「伊織さん。もう自分で出来ますから」 と言っても、いつものように辻堂は楽しそうに歩の髪をドライヤーで乾かす。 その間、歩は一切何も出来ない。 「あの、伊織さん。ペットとか飼いたいと思ってますか?犬とか猫とか、一緒に生活したいって考えてます?」 ドライヤーで髪を乾かしてもらいながら、歩が尋ねる。こんなに色々と構われると、ペットの代わりなのかと考えることもある。 「ない。考えたこともない」 「そうですか…」 だったら何故こんなに構うのかと聞きたい。でも構う理由を聞くのが怖い。 またしても、考えはぐるぐると回り出す。 昨日は飲み過ぎてしまったので、今日はお酒は飲まず、早めに寝ましょうと、歩は辻堂に伝えた。 「わかった。じゃあ、こっちな」 「へ?」 いつものように手を引かれて、歩の部屋に行くはずが、今日は辻堂の部屋に連れて行かれた。今朝もこの部屋で、このベッドから起きたんだなと考えて、歩は急に身体に熱が入り始めるのを感じる。 眠くなりそうな光、薄暗い間接照明の中で、今朝と同じように、ころんとベッドに転がされた。慌てて起き上がると、 「歩、俺に寄りかかって座ってみな」と言う。 キングサイズの広いベッドの上で、足を投げ出して座る辻堂が、「ほら」と、両手を広げている。恥ずかしくて、でも何だか嬉しくて、時間稼ぎのようにノロノロと歩はその両手まで這っていくと、辻堂は歩を背中から抱きかかえ、投げ出した足の間にすっぽりと座らせた。 トクトクと、辻堂の心臓の音が歩の背中に響いている。 後ろから抱きしめられる格好となり、そのまま頭を撫でられた。 「歩、今朝のことだけど、今のままじゃ苦しいんじゃないか?」 耳元で辻堂の声が聞こえる。 耳元で聞く声が甘く歩の身体に浸透していく。 「え…今朝の… んっ、んんっ」 後ろから、歩の耳や首筋にキスをしてくるので思わず声が上がってしまう。 「もたれかかっていいぞ。色々考えて疲れただろ」 「ほら、こっち」と顔を向けられキスをされる。「あ、ああっ、ん…」少し強引にされるキスは、昨日の記憶を簡単に呼び戻す。キスは気持ちがいい。 「歩、これわかるか?勃っているのが…」 辻堂は歩の股間を、パジャマの上から握った。 「ひゃぁっ」初めて他人に股間を触られた。 しかも、勃起している股間を。 辻堂とのキスは気持ちいいだけに、下半身に熱く力が入っていくことはわかっていたが、それでも急展開に追いついていかない。 「自分で扱けないのは辛いよな。出さないと今朝のようになってしまうぞ。手伝ってやるから、出してみろ。大丈夫だから」 射精しないと夢精をしてしまうのはわかっている、だけど歩の体質上、痛みを感じてしまうので、マスターベーションでイクことは出来ない。自分で出来ないのに、他人の手でイクなんてこと、もっと考えられない。恥ずかしいし、もしかしたら辻堂に痛みを与えてしまうかもと考えてしまう。 「やっ…で、できないから…」 「大丈夫。俺には痛みは感じない。お前も痛みはないはずだ。違うか?」 辻堂はパジャマの中にするりと手を入れて、歩のペニスを直に掴み、ゆっくりと上下にゆすりだす。水音が静かな部屋に聞こえ始める。 「そう…声を出して構わない。気持ちがいいと声が出るのは自然なことだ」 くちゅくちゅと小さな音だったのが、だんだんと大きくなり部屋に響く。 「ひゃっ…ああん…なんか…んんっ」 グチュグチュと、歩の下半身から先走りが溢れている音がする。恥ずかしいけど、気持ちがよくて腰が揺れてしまう。 「ああ…くる…なんか変…ああんっ」 ペニスの先端の亀頭を、人差し指と親指で包まれ刺激される。 「ひゃぁぁ…んんんっ…」 もう我慢が出来ない。先走りもどんどん溢れてでてくる。何かが出そうな感覚がある。 「歩…イクって言ってみろ。イクことを覚えた方がいい。大丈夫だ。俺が受け止めてやるから」 「いやぁぁ…イ、イク…ひゃぁぁぁ…」 精子が流れ出し、無意識に身体がビクビクと動く。初めて射精した瞬間だった。 「このまま寝ていいぞ。後始末は、やっておくから」 辻堂の声が遠くに聞こえる。 (気持ちよかった。でも身体が重くて動かないよ…それに眠くなってきちゃう…伊織さん…) 身体も口も動かない。疲れ果て、歩はすうすうと寝息をたて、そのまま寝てしまった。

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