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第15話※

「いやゃぁ…うんんっっ…もう…だめぇぇ…」 習慣とは慣れてくることだと思った。 慣れって怖いとも思う。 あれから毎晩、歩は辻堂と一緒のベッドで寝て起きている。そして、毎晩、辻堂にイカされている。初めて射精した翌日、身体と腰が軽く、夢精はしていなかった。 多少のダルさはあったけど、身も心も快適で、目の前の霧が晴れたようだと感じたのだ。辻堂に、初めて射精してどうだったかと聞かれた時に、馬鹿正直に歩はそう答え、それを聞いた辻堂は、その日の夜から毎晩、「手伝う」といい、歩のマスターベーションを「手伝って」いる。 そして今も。 背後から辻堂に抱きしめられるようにしていると、歩のお尻に硬いものが当たる。 (伊織さんの…だよね…なんかすごく大きい気がするけど) 最近は慣れてきたので、すぐに寝落ちしなくなり、また、歩に少し余裕も出てきていた。 何となく周りが、辻堂の行動が見えるようになっていた。 ぐちゅぐちゅと音を立てて、先走りが溢れ出ている。亀頭をぐりっと指で引っ掛けられ刺激された。 「いやぁぁぁ…イクっ… んんぁぁ」 射精した後の局部を、辻堂が手慣れた様子で拭いとり、衣服の乱れを整え始める。 「伊織さん…すいません。自分で出来ますから」 「いや、俺がやるから大丈夫だ」 これもほぼ毎日言い合っている会話だ。 最初の頃は、寝落ちしていたので、辻堂が後始末をしたと気がついた時は、慌てふためいてしまった。なので、寝落ちしない最近は、自分で出来ると伝えるのだが、聞いてくれたことは一度もない。 後始末してもらいながら、歩は、最近気になってることを、決心して聞くことにした。 「伊織さんは、しない…の?」 「ん?」 後ろから抱きしめられると、辻堂の局部が歩のお尻に当たっている。それが硬く大きくなっていることを歩は知っている。 「あの、そ、それ。伊織さんの…あの、 大きくなってる…気がする…伊織さんは、 苦しくないの…でしょうか?」 一瞬驚いた顔をしたが、ニヤッと笑って辻堂は言った。 「付き合ってくれるのか?」 歩はベットに仰向けに寝かされ、辻堂は上から覆い被さるように抱きしめる。 唇を軽く吸ったり、舐めたり、甘噛みしたり。いつもより長く、優しくキスをされる。歩は気持ちがよく、トロンとした顔で辻堂を見ていた。 唇は耳の下や首筋に落ちてきた。 「んんっ…はぁ…んっ」 声が、息が、漏れてしまう。 2人の身体は更に密着し、歩は下半身にゴリっと当たるものを感じた。 「ひゃっぁぁぁ」 カチカチに硬く、大きなものを擦り付けられ、思わず歩は高い声をあげてしまう。歩の声を聞き、辻堂はスウェットと下着を脱ぎ捨て、二人の局部を合わせた。歩は、初めて他人の熱を直に感じた瞬間だった。 熱や感触も気持ち良さの理由につながら、さらに興奮してしまう。 歩自身の下半身にまた熱が入り始め、ペニスがムクムクと立ち上がってきた。 「あ、あつい…」 身体は熱いが、不思議と電気を放つ症状は起きない。 「痛いか?」 辻堂が心配そうに聞いてくる。 「ち、違う…」 言葉にならず、頭をふるふると振る。 辻堂の大きな手が二人の熱い性器を握り、上下に扱き始める。 「んんぁぁ… ふっ…はぁぁ…」 気持ちが良くて思わず歩の声が上がり、 二人分の水音が響き、耳までも刺激される。 性器を握りながら、辻堂は腰を深く入れ揺すりだす。ゴリゴリとした逞しい雄の象徴は熱く、先走りの量も多い。グチュグチュと音が大きくなるにつれて、辻堂の腰の動きも早くなる。 「歩…」 「い、いやぁぁぁ。イクっ…もう…でちゃう…」 甘く、掠れた声で名前を呼ばれると、気持ちが高ぶりイキそうになる。 「出していいぞ… 俺も出す…」 「ひゃぁぁ… ああんん…」 二人のタイミングが合い、同時に射精した。辻堂の精液は量が多くドクドクと流れ出ている感じがあった。精子が出ている時も、二度三度大きく腰を動かされ、それが更に刺激になり、歩は腰をガクガクさせていた。 今までの、辻堂に「手伝って」もらっていたマスターベーションと違い、二人で行う行為はまた別の気持ちよさがあり、そしてその行為は激しかった。 疲労感が身体全体にまとわりつく。歩は、急に瞼が重くなり、そのまま寝入ってしまった。

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