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第36話※
「宮坂様お待ちしておりました」
丁寧に挨拶をしてくれたここは、宮殿のように美しいフォルス社のメンテナンスホテルであった。
「こちらから先はギフトが停止となります。
ごゆっくりお寛ぎ下さい」
ギフトはここに滞在中、使用停止となりその間にメンテナンスを行なってもらうことになっている。ギフトが使えなくてもここでは問題なく過ごせるそうだ。
このホテル一棟全てを貸切にしているらしい。誰もいない二人だけだと、必要なものは必要な場所に置いてあるから心配するなと、辻堂は言う。
時間はたくさんあるというが、ゆっくり過ごすことには焦りを感じジリジリとする。もうお互い、深く求め合っているのがわかる。歩のギフトメンテナンスという名目だが、二人は肌をあわせることに焦ったく、我慢しきれなく、途端無口になる。
「服を着ている暇もなく過ごすことになるからな」と、辻堂に宣言され運ばれた所はベッドルーム。さらりとしたリネンの上に横になる。
「愛してる…歩」
辻堂から噛み付くようなキスを受け、歩は辻堂の背中に手を回す。抱きしめながら応え、二人はもつれるように抱き合い、服を脱ぎ捨てた。
「んんっ…はあっ…うんん、っああ…」
「声…聞かせろよ」
いつものように優しくはない。
性急な辻堂は雄らしく、荒々しく強引だ。
首筋から鎖骨にかけてのキスは、吸い付き、噛みつきとても熱い。辻堂の舌がはじめて歩の乳首をかすめた。
「あぁぁ…うんんっ」
全身に快感が走る。ギフトは停止しているはずなのに、熱く電気が走る感覚だ。
「いやぁぁぁ…んん…」高い声が出た。気持ちがいい、今まで気づかなかった快感を味わう。舌でジュッと乳首を吸われた。
「お前のここはかわいいな」
辻堂は指で、くるくると胸の粒を押し潰し、強いキスを落としてくる。
「はぁ…ああっんん」
歩の口からは快楽の声だけが上がる。
(こんなに気持ちいいなんて知らなかった…)
辻堂に身体全身をなぞられると、歩の下半身からはタラタラと透明な蜜を流しはじめた。辻堂の大きな手はその蜜をすくい、歩のペニスをゆるゆると擦り上げる。
「い…伊織さん…ダメ…気持ちいい」
辻堂は歩のペニスをゆっくりと上下に扱きながら、何度も胸にキスをし、舌で転がしていた。歩は辻堂の頭を抱き抱え、胸をそらす。
辻堂の下半身からはドロっとした濃い透明な先走りが筋を引き、歩の腹の上に溢れこぼれる。
「歩…ここ使うぞ。いいな」
後ろの蕾を辻堂の指先で撫でられる。
「ちょっとな…びっくりするなよ。大丈夫だから」そう言い、ベッド横に置いてあった瓶を手に取り、中の液体を歩の蕾に塗りつけた。
くちゅくちゅと音を立てて、塗り立てていく。
「な、なに?」
「ん?傷つけないための香油ってとこかな」
くるくると蕾に円を描いていた指が、躊躇せず蕾の中に入ってきた。好きな人の指はどこを触られても気持ちがいい。
入り口を指で引っ掛けて、辻堂は二本三本と指を増やしていく。香油をたらりと零され、歩の身体はビクンとしなる。
「んぁ…ああ…」
「もうちょっとな…」
辻堂の指が上の方をかすめた。歩の中にあるしこりを押し上げる。
「いやぁぁぁぁ…ひやぁぁ…」
快感が迫り上がる。指で擦られて射精感が増してくる。
「な、なにそこ…だ、だめぇぇ…でちゃうぁぁ」
「歩、ここ覚えておけよ」
何度も擦られ、イキそうになるところで指を抜かれた。
「こっちの方が楽らしい、最初はこっちな」と言い、ころんと歩をうつ伏せにさせる。
「腰、上げられるか?」
肘を立て、猫や豹のようなポーズになり、恥ずかしさが込み上げる。
「恥ずかしいです…」涙目になり辻堂を振り返って見上げると、香油を自分の起立にぬり、二、三度上下に扱き上げ、怖いくらいに反り返っている男根を歩の蕾になすりつけていた。
「かわいいこと言うなよ、我慢してんだぞ」笑いながら辻堂は言うが、汗をかいており、気持ちのゆとりがないのを感じる。そんな辻堂を見ると、胸が締めつけられるような感覚になる。
ぬちぬちと、少しづつ辻堂の大きなペニスが歩の中にめり込んできた。時間をかけて少しづつ進み、全部が入った時、熱くて、どうしようもなくて、でも嬉しくて歩は泣きそうになる。
「痛くないか?大丈夫か?」
背中にキスをしている辻堂に聞かれる。
「だ…いじょうぶ…」
ゆるゆると腰を辻堂が回し始めた。
「いやぁ…ひっゃあ…」
歩の中にあるしこりを強棒が押し上げる。腰を引く時も、入れる時もそこをかすめていく。その度に声が上がり、快感で肌が泡立つ。
「大丈夫か?このまま強くしていいか?」
「んっ…大丈夫…だと…おもう…」
とたん、辻堂が強く動き出す。
「ひゃぁぁ、っんん、」
気持ちがいい。あんなに大きいものが自分の中に入っているなんて思えない。しこりを擦られて、それがこんなに気持ちがいいなんて。
辻堂の腰の動きに激しさが増す。肘を立てていられず、上半身をベッドに擦り付けた。必然的に、腰だけ高く上げてしまう。さっき辻堂に噛まれた乳首がシーツに擦れてむず痒く、快感を得る。
歩が尻を高く突き出した格好になると、辻堂は尻の頬を鷲掴みにし、手荒い腰の動きをする。辻堂が動くたびに、歩の中のしこりを刺激するので、歩のペニスからは、蜜がこぼれ落ち始めた。
ばちゅばちゅと肌を叩きつける音が部屋中に響き、その音に興奮する。
「伊織さん…イキそう。出ちゃう」
「ああ…いっていいぞ」
「そこダメぇ…いやぁ…」
辻堂の腰が奥深く入り、ズンっと強く叩きつけた時、歩はピュクッと射精した。
同時に辻堂も歩の奥に精子を撒き散らし、濡らす。精力絶倫なのか、二、三度腰を叩きつけるようにし、射精が続いている。
頸にキスをされる。辻堂の唇は気持ちがいい。
「もう抜いて…」
「うーん…もうちょいな」
「へっ?え?」
歩はそのまま、くるっと仰向けにされた。辻堂のペニスは歩の中でまた大きくなってきている。
「今度は顔を見せてくれ」
「伊織さん…もう、ダメ…」
「歩、好きだ…愛してる」
キスをしながら腰をゆらゆらと、押しつけ、大きく円を描くように動き始める。
「こっち見ろよ。歩…」
さっきの余韻が残る身体に、さらなる追い討ちが迫ってきた。
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