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第44話 One year after story※

夕方になるのが待ち遠しい。 歩が仕事を終わり、ここに来るのを仕事をしながら待っている。 ひとつ大きな仕事が終わったばかりなので、仕事といっても、たいしたものは今はない。ちょっとパソコンから指示出したり、報告を聞いて終わりだ。 だから歩を待つ時間はいつもより多くある。人を待つということも、歩を好きになって覚えたことだ。 夕方から翌朝までの数時間、少ない時間だが、誰にも邪魔されずに歩を独り占めできる。ちょっと無理をさせてしまう時もあるが、多分、歩も同じことを考えていると思っている。 「伊織さ、ん…いゃっああんん」 「歩、こっち向けよ…」 上から覆いかぶさりキスをする。そのまま腰をズクっと奥まで突き上げた。 歩の小さな乳首が赤くなっている。何度も舌で吸い上げ、意地悪に歯を当てていたからだ。両方とも赤くなり、少しぷっくりとしている。 そんな乳首を見ると興奮してしまい、また指の腹で押し潰してしまう。 「やっ、やぁぁ…はぁ、ううん…」 「気持ちいいか?痛くないか?」 気持ちいいだろうとは思うが、痛くしたらかわいそうだとも思う。その加減が難しい。 「や、や、気持ち…いい…」 家ではないから歩は声を上げるのを抑えている。歩は乳首を摘まれると声が出てしまうので、口に手を当てて我慢をしていた。 口に当てている手を取り、羽交締めにした。身動きが出来ない状態にさせ、腰を押し付け、ペニスを奥まで何度も押し込む。 「声…出せよ。我慢しないで」 「ダ…メ。聞こえちゃう…」 ばちゅばちゅと肌が当たる音がする。歩の尻に当たるほど奥に当てると気持ちがいい。 「自分で出来るか?俺がやると声出ちゃうんだろ?」 両手を解放して、自分で乳首をいじるように促すと、涙目で下から睨まれた。 「伊織さ…ん、いじわる…」 恥ずかしいから睨んでいるのか、やって欲しいから睨んでいるのかわからないが、その顔を見るとゾクゾクとし、グンっと辻堂のペニスは大きくなってしまう。 「なに?やって欲しいか?俺は、自分でやってる歩を見たいけどな…」 意を決したように歩は両手で自信の乳首をいじり始めた。赤くなった乳首を人差し指の腹でくるくると撫でている。それが気持ちいいのだろうか。 見ていると興奮してくるので、ガツガツと腰を送りつけていたら、キュッと乳首を摘んでいるのが目に入った。 やっぱり、少し引っ張るのが歩は好きなんだとわかる。 乳首を引っ張ると同時に歩の中が締め付けられたのを感じる。歩の中はとにかく気持ちがいい。だから少し強く、何度も腰を打ちつけてしまい、無理をさせてしまう。わかってはいるが、腰も気持ちも止まらない。 「歩…好きだ」 「やっああんんっっ…」 歩はビュっとそのまま射精した。歩の精子が二人の腹にかかる。それを見ると何故か興奮してしまい、腰を押さえつけて奥深くまで何度も叩きつけてしまう。 「伊織…さん、奥にかけて、欲しい…」 歩は奥深くに出して欲しいと、いつもねだる。奥を広げられるのが気持ちいいと言っていた。 歩の後ろにペニスを突き入れたまま、辻堂は抱き上げた。オロオロとしている歩を見ながらそのまま腰を何度か下から突き上げた。 「歩、このまま俺につかまってろ」 「やっ、出来ない。ダメ…」 歩を抱き上げて、そのまま風呂まで歩き始める。外に造られている風呂なので、風が気持ちいい。そのまま歩を上に座らせるようにし、浴槽に入る。 辻堂は、自身のペニスがまた一段と膨れ上がったのを感じた。歩にキスをしながら、下から突き上げを始める。 「んっ、ふっんん…」 歩が声を殺しているのがわかる。外なので誰かに聞かれる心配をしているのだろう。 「歩…誰も聞いてないから、声出せよ。声が聞きたい…」 耳元でそう囁いた。腰を引き寄せ突き上げを繰り返しているが気持ちがよくて、更に奥までとグリグリと捩じ込む。 「…いじわる」 歩は言い、辻堂をまた睨んでくる。だからまた意地悪をしたくなってしまう。下から突き上げていたペニスをずるっと引き抜き、歩を立ち上がらせた。 「じゃあ、ここに手をつけるか?」 浴槽に手をつき後ろを向いている歩の肌は、ほんのり赤くなっている。赤くなっている背中にキスをし、突き出していた尻を引き寄せまた、歩の後ろにペニスを入れた。 辻堂の先走りで歩の中を濡らしているので、ズプッズプッと音をさせながら奥までゆっくり深く入る。 「いっひゃぁっっ…んんっ」 後ろから入れると角度が変わるのか、歩は背中を仰け反らしている。歩の中がキュッと絞まったのがわかる。 後ろから歩の乳首をなぞった。右の乳首をキュッと押し潰すと歩は声を漏らしていた。その声を聞き、腰を抱えなおして後ろから激しく叩きつけてしまう。 「やっ、やっ、ダメ…激しい。いきそう」 歩が声を抑えている姿に興奮する。声は出さないが、水の音と肌がぶつかる音は響き渡る。後ろから入れる時は必然的に激しくなり、腰を押さえつけ奥深くに何度も打ちつける。 「はあっ…歩…出すぞ…いく」 歩の奥深くにズッと腰を押入れ、飛沫を上げ撒き散らす。腰を引き、再度強く押し込んだ。一度目の精子が歩の後ろからタラっと横から流れ、溢れ出てきたが、腰を掴みながら押し込み、そのまま何度か腰を振りつけ、奥に射精した。 ◇ ◇ 「歩、大丈夫か?」 また無理をさせてしまった。毎回学習しないなと辻堂は思うが、行為を始めてしまうと止まらなくなってしまう。手加減するつもりが抑えられなくなり、歩を更に求めてしまう。 ベッドで横になっている歩に水を渡す。コクっと喉を鳴らして美味しそうに水を飲む姿は、久しぶりに見る気がする。 「大丈夫…かなぁ…久しぶりに激しかったので、すぐ動けないかも…」 「すまん…俺は学ばないな」 あははと声を上げて歩は笑った。辻堂が素直に謝るのがおかしいと言う。 歩の肩にキスをしながら、今日はもう無理をさせないと心に誓う。あと数日で歩もここの仕事は終了するという。家に戻ればまた一緒に生活できる。 「仕事は無事に終わりそうか?」 「そうですね。もう大体終わりましたから、もう大丈夫です」 今回も仕事は楽しかったと言っている。見ていて充実しているのはわかっていた。自分で考え、進めることが出来るのは手応えもあるのだろう。歩の髪をさらっと撫でた。 辻堂が今回ここに来た理由は、歩と離ればなれになっていた時間を埋めたいと思ったことと、後ひとつ別の理由がある。 『好きだ、愛してる』と伝え、歩からも同じ気持ちを返してくれている。同じ場所で暮らし、お互い仕事も充実している。この先やりたい事など、駆け足にならないと時間が足りないくらい二人共沢山あるだろう。 だからこそ、歩に誓いたい。 歩に好きだと初めて言ったこの場所で、きっちりケジメをつけたいと思っている。それは辻堂がずっと考えていたことだった。 「明後日、帰るだろ?」 「そうですね。明後日は皆さんにご挨拶してそのまま帰ります。あー久しぶりに家でお休み取るんですよ。何しようかな…」 明後日の朝、この場所を離れる前に、歩に伝えようと辻堂は決めていた。

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