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媚薬なHONEY 4

「ちゅー」 実際、21歳の男がこんなことを言ってて可愛いなと思えるのは捺くんだからだ。 泥酔しきってる上に媚薬まで飲んでるらしいからしょうがないんだろうけど、スイッチがずっと入ってる状態の捺くんは周りの目をきにすることなく俺に抱きついている。 タクシーの中でも……。 運転手はバックミラー越しにこちらを見て顔を真っ赤にしていた。 幸いホテルはタッチパネル式だし、人に会うことなくエレベーターに乗りこめた。 「ゆーとさん」 エレベーターの壁に押しやられ捺くんが俺の唇を塞いでくる。 すり寄せてくる下肢。 太腿にあたるソコがもう抑えきれないくらいに膨張してるのはわかってる。 部屋に入ったらとりあえず抜いてあげよう―――とは思うけど。 エレベーターが停まって、それでもキスを続けようとする捺くんを宥めて部屋に向かう。 ようやく辿りついて、 「着いたよ」 と言えば、 「やったー!」 なんて声をたてて笑いながら、まだ玄関口だというのにキスしてくる。 いつもより性急なキス。 俺にしがみついて必死に舌を動かしてくるのは可愛い。 「……んっ……。ゆーとさん……っ」 名残惜しそうに何度も俺の唇を食むようにしてから離れていった捺くんは潤んだ目で見つめてくる。 「なに?」 もともと積極的なほうだけど、今日はすでに理性が切れてしまっているらしい。 じっと俺の目を見ながら捺くんは俺の手を取ると自分の股間へと持っていった。 ズボン越しに硬い感触が指先に触れる。 「さわって……?」 「……」 媚薬……どの程度のものなんだろう。 いや、もともと捺くんはお酒が入ると性欲が強くなる方だし……。 頭がくらくらするほどの色香を放っている捺くんの誘いを無視するはずもない。 窮屈そうにしているズボンのベルトを緩めて寛がせてから手を差し込んだ。 熱く勃ちあがった捺くんのものはいつはじけてもおかしくない状態だった。 ぬるぬると先端から唾液をしたたらせ脈動している。 それを全体に塗るようにしながら指を絡め上下に扱いてあげる。 「……っん、ぁ……ん」 気持ち良さそうに瞼を震わせギュっと俺の上着を握りしめる捺くん。 「ゆ、うと、さん……っ」 強めに摩擦をおくってあげると甘い吐息をつきながら身体を震わせている。 与えられる刺激に腰を揺らしながら、また捺くんの唇がモノ欲しげに動いて俺の唇を捕らえた。 かなり興奮しているのが伝わってくる舌の動き。 そして俺の手の中では摩擦するたびに硬度を強くし脈打ってるもの。 「……ふ……ンっ……ン……ッ」 捺くんの身体がビクビクと震え、掌に熱が吐き出された。 よっぽど我慢してたのかあっという間。 大量の白濁が手の中におさまってこぼさないように手を抜き出す。 ―――捺くんのものから手を離すとき、その硬度がまったく衰えてなかったのは……酒と媚薬のせいなんだろうか。 俺の手を見て捺くんは少しだけ恥ずかしそうに頬を緩めた。 「たくさんでたねー。ゆーとさんのて、すっげーきもちよかった。もっとしたい」 「……とりあえずベッドに行こうか」 なんなんだろう、この子。 はにかむくせに、俺の手の中にある自らが出した白濁をぺろりと舐めて見せる姿は妖艶で。 ―――迎えに行った時点でかなり色気というかフェロモンというか放出しててやばかった。 簡単に言えばエロイってことなんだけど、今日は酔っているのもあるから周りを気にしてないのが痛い。 朱理くんたちが助けなかったらどうなってたのか。 タクシーの運転手さんの目も気にせずに俺の脚に跨ってキスしてくるし。 蕩けたような顔を運転手さんにまで見せてたし。 降りるときなんか捺くんのことをものすごく凝視していたし。 酔っているせいとは言え、あんまりにも無防備すぎて―――……。 「ゆーとさんっ」 内心ため息をついていると無邪気な笑顔でまたキスをしかけてきた。 精液独特の味が微かに咥内に広がる。 「……っ、ん、捺くん……」 とりあえずまだ手には白濁が残っているし、相変わらず部屋の入口だしベッドへ移動したい。 捺くんの舌を甘噛みしてから唇を離す。 「ベッドに行こう」 「うん!」 あっさり頷いた捺くんは俺の腕にしがみついてきて、それを可愛く思いながら部屋の中へと歩いていった。 ***

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