「……ほんとに、そう思ってんの？　彰」 「……なに、が……」 　押さえつけられて、動けない。 　キスされそうになった瞬間、顔を背けたけれど。 　顎を、掴まれて、深く覆いかぶされた。 「……っ……」 　舌が捻じ込まれて、キスされる。 「……じ、ん、やめ　……」 　必死で唇を離して、一瞬、制止の声を上げるけれど、もっと深く、唇が、重なった。 　ぞく、としたものが背筋を走る。 　息が、熱くなる。 「っ……じ……っ　……ぅん」 　……やばい……。 「いや、だ、仁……」 「……っ彰……」 　藻掻いても、さらに深くキスされる。 　やば、い。 　……これ以上続けてたら…………。 「……仁っ　待っ……もうや、め……っ……」 「嫌だ……」 「……ん、う……っ……」 　力、強い。 　腕の中に、とじこめられてるみたいで、離せない。 　でも……それだけ、なんだろうか。 「……っん……ぅ」 　気持ちが、あふれてくるみたいな……。 　熱すぎる、キス。 　舌が、熱い。 「……っ……じ、んっ…………」 「……弟とか言ってねえで　オレをちゃんと、見ろよ」 　くらくらする。 　熱くて、激しくて、……心の奥まで、焼き尽くされそうで。 「……じん……っ待って…………　むりだ、て言ってるだろ……！」 　言ったら、　仁は、すぐ至近距離で見つめてくる。 「……じゃあなんで、キスされて、そんな顔、すんの？」 「……っ」 「……普通、いくら弟だからって、こんなキス、させないと思う。 　彰、オレのこと、好きなんじゃねえの……？」 「……何、言って……」 「オレが好きだって言っても、キスしても、本気で拒否らない。結局いつも、受けてくれて……　なのになんで、だめなの？」 「……オレ……拒否……してただろ」 「……うわっつらの拒否はね……」 「……そんなんじゃ……ない」 　……応えられないって。 　オレ、ずっと、言ってたはず。 「……彰がいっつも、オレにドキドキしてんのも知ってる。今もだろ」 　手首を掴まれて、ドアに、押し付けられる。 「……っ……」 「……オレは、彰、が……ほんとに好きなんだって……！」 　振り絞るみたいに、囁かれて。 　反論する声も出なくなって。涙が滲む。 「……兄弟とか……関係なく……　オレを、選んでよ」 「……っ」 　肩に、仁の額が押し付けられて。 　　 「彰……オレのものに、なってよ」 「……っ……」 　 　初めて、言われた。 　仁のもの……になる？