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第101話「無理」 ※
「……っ……ふ……っ……」
……無理……。
――――……これ以上、無理。
「……仁、苦し――――……ぅ……」
本当に息が、苦しくて。
でも、仁、離してくれない。
「……ん ……ン、…… ッ……」
こんな深く、荒々 しいキスを受けた事、ない。苦しい。
息、できない。
舌が奪われて舐めつくされて、噛まれて、体が震える。
ぞくん、とした感覚が腰を駆け上がる。
「……っ……ん……っ」
口の中をめちゃくちゃにされてるような。
――――……苦しすぎて、がく、とひざから力が抜ける。
抱きとめられて、そのまま、壁に押さえつけられた。
「……――――ぅ、ん……」
再び覆いかぶさってくるキス。
止めようと、藻掻く手にも、力が入らない。でも。
「……ん、……っ……!?……っ……じん、やめ……」
不意に下半身を滑った手に、声が上がった。
太ももを撫でられて――――…… そのまま、中心を、撫でる。
ゾクゾクした感覚に、全身が震えた気がした。
「――――……感じてるンだ……」
「……っ触られたら、当たり前…… っ……マジで、やめ……て……」
「――――……あいつには、触らせたんだろ?」
「――――……っ……」
……涙が滲む。
「……触、んないで、仁――――…… っ……」
「――――……嫌だ」
「……っ……」
抗おうとした手首をつかまれ、押さえつけられる。
器用にベルトを外されて、ズボンを下ろされる。
「……っ……仁、待っ――――……っ」
必死で振り仰いだ瞬間、また唇をふさがれた。
「……っ……っ……う……んっ……」
抗う手をものともせず、 仁の手が、直に、そこに触れた。
「……っあ……っ」
握りこまれてしまって、その手の熱さに腰を引くけれど、背後は壁で、逃げようもない。
「嫌だ、仁…… や……――――……ぅ……」
振り解いた唇を塞がれて、また深くキスされる。
後ろに押し付けられるようにされて。
深く深く舌を絡められながら、下を直接愛撫されて、もう、どうにもできなくなっていく。力が、入らない
「……っ……や……だ、……っあ……――――…… ん、ぅ……」
「……そんな顔、見せたのかよ…… そんな声――――……」
「……や……っ いや、だ……っじん……!!」
唇を振りほどいて、首を振る。はずみで、涙が溢れ落ちた。
「……や……っ……っ」
どんどん追い立てられる。
ぶる、と震えて――――…… 喘ぎは、また、仁のキスに塞がれた。
「――――……ん……っ……く……るし……」
――――……息、ほんとに、できない。
何の涙か分からないけれど、溢れ落ちてくるのを隠すこともできない。
いつのまにか――――……泣きじゃくっていた。
「……も――――……はな、して…… ねが……っ」
懇願するように告げた言葉も、聞き入れられる事はなくて――――……。
「……っ……」
押さえつけられたまま、キスされて。
そのまま、仁の手の中で熱を解いてしまった。
……――――……も、無、理――――…………。
ふっと意識が遠のいて。
がく、と足から崩れた。……気が、する。
そこで、全部が、途切れた。
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