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第120話「つながる」※

 濃厚なキスを交わしながら、触れられて乱されて、何度か達した。  ひとつひとつの愛撫は優しいのだけれど、熱くて、激しくて、  その熱に、おかしくなりそうだった。  仁と再会してからは一度も触れていなかった後ろは、最初、仁の指を拒んだ。  それを、気が遠くなる位長い間解されて、感じる所を刺激され続けた。  自分の体を持て余す位熱くて、息が上がる。頭が真っ白になっていく。 唇を塞がれて余計に息が奪われて、くぐもった喘ぎで部屋が満たされる。 「……ん、ぅ……っは……っ」 「……彰……」 「……ん、ン……っ……」  名前を呼ばれて。またキスされる。  ……仁…………。  その首に、腕を回して、抱き付いて。  はあ、と互いに、息を付いた。  ……もう、辛い。頭、変になる。  思った瞬間。仁が、中から、ようやく指を抜いた。 「彰……」  する、と足を抱えられて。 「このまま入れたい……いい?」 「……ん……いい……」  あてがわれて、仁が覆いかぶさるようにしながら、中へと押し進んでくる。 「……ん……っあ……っ!」  熱い塊に中を徐々に開かれて、仰け反ると、その唇を塞がれた。  舌が深く絡んできて、ゾクリとした感覚に震える。 「……辛かったら、教えて」 「……ん……っ」  触れたまま唇の間でそう言われて小さく頷くと、また口づけられた。  めちゃくちゃ弄られたからなのか。  もう興奮しすぎて、全部気持ちよくなってしまってるからなのか。  痛みは全然ない。  むしろ――――……。 「……じん……っ」 「……ん?……つらい?」 「も――――……っやく、全部……」  言ってしまった瞬間、仁の体が余計に熱くなった気がして。 「――――……バカ、彰……」  一瞬きつそうに顔を歪ませたと思ったら、仁は一言呟いた。  また脚を少し持ち上げられて。ゆっくりとではあったけれど、奥まで、突き入れられた。 「……っあ……っ……っは……っ」 「……少し、このままいるから……」  また、唇が重なって。舌がゆっくりと絡んで。  オレの落ち着くのを待ってくれてるみたいで。キスの間で浅い呼吸をつづけていたら、仁が、息を吐いた。 「……は――――……すげ……」 「……っ?」 「……ほんとに――――……彰と繋がった……」  熱い息とともに、仁がそう言って、オレを見つめてくる。 「……じん……」  仁のまっすぐな瞳と、動かないでいる中の熱に、ぞくりと少し震えながら。キスしたくて、仁に顔を寄せた瞬間。  不意に、仁が、オレをぎゅ、と抱き締めた。  オレの肩に頭を押し付けてるみたいな形で、そのまま数秒動かなくなる。 「――――……じん……?」  どうしたの? そう聞こうとした瞬間。 「……や、ば。……なんか 泣きそ――――……」  ぎゅう、と抱き付いてくる腕に力がこもる。 「……じ ん――――……」  今日何度目か。その中でも一番。  心臓が掴みあげられるみたいに、苦しくなって。  涙が、滲む。 「――――……仁……」  仁を自分の肩から起こしてから、その首に腕を回して、少し自分の方に引いて。 ゆっくり唇を重ねた。少しだけ離して、まっすぐに見つめる。 「好きだよ……仁……」 「……っ……」  仁が少し唇を噛んだ。 少しして苦笑いしながら、一度唇を離す。 「……だから、今それ――――……ほんと、ヤバいからね……」 「……」 「はー。……マジで泣きそうだったのに――――おかげで、欲が勝ったかも……」  自分で言って、クスッと笑った仁が、また深く口づけてくる。 「……っ……ん、ぅ……っ」  奥にとどまったままだった仁が、ほんの少し揺らすように動き始めて。  中を、熱で、溶かされてるみたいな。  仁のを締め付けてるのが、自分でも分かる。

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