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第123話「エロい」※
「…………ンっ……んっ……」
仁が中に入ったままで。
ずっと続くみたいなキスに応えて。
絡み合った唾液が、飲み切れずに顎を伝うと舐めあげられて。そしてまた、ぎゅ、と仁を締め付ける。
感じさせられると、そこを勝手に締めてしまうみたいで、締めてから気付いて緩めようと思うけれど、うまくできない。
「……オレ、また復活しちゃうけど……」
クスクス笑う仁に、無理の意味を込めて、首を振りながら見上げると。
「…彰、エロい……」
「…………っ!」
仁にそんな風に言われると、恥ずかしくなって、顔に血が集まる。
散々痴態を晒しまくっておいて、そんな事を言われた位で、と思うのだけれど……。
「……明日学校だし……抜くね?」
ゆっくり、引き出される感覚に震えてしまいそうになりながら耐えていると。
そこでぴた、と止まって。
またゆっくりと、中に入れられた。
「……ん……あ……っ……なに――――……」
「んーん。……なんか、ただこのまま、抜きたくなかっただけ」
「……っ……んん……」
「……はは。すげー締め付けてくるし。かわいー、彰……」
「…………っ……」
「ごめん……抜くね?」
「――――……っ…」
ちゅ、と頬にキスされて、今度は、ほんとに、抜いてくれた。
「……抜かれて寂しい?」
「――――……っ」
仁の言葉に詰まって、応えられない。
……分かってる。
抜かれたくないって言ってるみたいに、どうしても、締め付けてしまっていたことも。
「……今度、休みの前の日に、いっぱいしようね?」
……今日もいっぱいしたけど……。
仁とするの初めてなのに。
なんかもう。
……色んな事、吹っ切るしかない位、めちゃくちゃいっぱい。したけどな……。
そんな風に思って黙っていたら、キスされて舌を絡められて吸われて、柔らかく噛まれる。仁が、好きなキスの仕方なんだと思う。
……ああ、もう……きもちいい……。
散々舌を好きに愛撫されて、ゆっくり離した仁に頬に触れられて、瞳を開けると、まっすぐ見つめあった。
「もうさ。彰はオレのだからね?」
「……ん……?」
「もうキスもセックスも、すげえしちゃったしさ。もう家族だとか、男だとか、考えるの諦めろよな?」
「――――……」
……その意味を考えていたら。
思わず、クスクス笑ってしまった。
「……そんなこと、思って、すごいしてたの?」
「まあ、もう言い訳が出来ない位にしようとは、思ってたけど……」
「……けど?」
「……まあ、彰がエロイから、我慢できなかっただけ」
「……っ……ていうか……エロいのオレじゃないし」
「え、じゃあ誰?」
「仁がエロいことばっかりするから……」
「違うよ、彰がエロいから、オレがどんどんしちゃうんじゃん」
「………………っ」
……なんかこの言い合い、恥ずかしすぎる。
「……まーいっか。二人ともおんなじ位エロいってことにしよ」
仁はそんな風に言うと、ちゅ、とキスしてきて、微笑む。
「だからこれから、いっぱいしようね?」
「……っ……」
舌を舐め取られて、噛まれて。
ぞくりと、また震えてしまう。
「なあ、彰、中気持ち悪い……?」
「んー…………うん、ちょっと……」
「ごめんね。……洗ってあげるよ」
ベッドから立ち上がった仁に腕を引かれ、またひょいと抱っこされてしまう。
「だから、そう簡単に、抱えるなってば……」
「暴れると、危ないよ」
言われて、動けなくなる。
クスクス笑いながら、仁はバスルームへと早足で進んでいく。
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