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第2話

「なんて小さな体なんでしょう。このようなか細いお体で、勇者様は世界をお救いになられたのですね」  トクトクトクっ 「勇者様が魔王様を倒されて、世界は平和になりました。これからは、私が勇者様をお守り致します。ご安心下さい」  トクトクトクっ  早鐘を打つ左胸がうるさい。 「どうか私に全てをお委ね下さい」 「ひゃう」 「おや、また奇声が出ましたね。キスの後、奇声を発するのが人間の文化なのでしょうか」  プルプルプル〜  だって、だって、だって! 「突然キスするから!」 「ご挨拶ですが」 「キスは挨拶だけど、挨拶じゃない」 「仰る意味がよく分かりません。たかだかお目覚めに頬に、心落ち着くおまじないに額に唇を触れただけですよ」 「それがキス!」  ふぁさんっ  シーツの波がざわめいた。  抱き寄せられて。抱きしめられて。  厚い胸板に 頬がぎゅっと押しつけられた。 「ほんとうのキス、教えてあげますよ」  星影に輝く月のような瞳が近づいてくる。  トクトクトク  トクトクトク 「勇者様……」 「ストォォーップ!」

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