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第17話 Ⅲ章 刺客は下心を携える
敵意のない刺客(!?)は下心を持っている★!?
それって、どゆことー??
一体……
「誰に??」
下心??
「勇者様、あなたは危機感をどこにお忘れになったのですか」
俺、怒られてる?えっ?
「なんで??」
はぁ〜っと胸の奥から、重い塊のような溜め息を吐き出した。
「あなたです」
「………」
俺?……って自分を指差すと、コクリとオルフェが頷いた。
「えええーーっ★!!」
なななっ
「なんでェェーっ!?」
俺が下心を向けられてるの?
なんかした、俺?
「失敬であるぞ」
「わっ」
グニャリと歪んだ人影が、確かな像を創る。
「下心とは不愉快な」
彼の実体は、ここにない。
幻影を飛ばしている。
「下心ではない。これは純然たる愛!」
そうだ。
この声。
俺は、この声を知っている。
「お前がなかなか帰って来ないから、僕から会いに来たよ。いいだろう?我が后」
あなたは!
「王様ァァァアー★!!」
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