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第33話
「……という事ですので、勇者様。王様はちょっとやそっとの魔法では死にません。安心して《白夜の咆哮》をぶっ放して下さい」
「ちょっ、君っ」
「おや、陛下。リクエストでしたら受け付けますよ。炎、氷、雷 、どの最上位魔法がよろしいでしょうか」
「どの魔法もいらないし、なぜ最上位限定なんだ」
「積年の鬱憤を晴らす良い機会ですので。さぁ、お選び下さい。雷最上位魔法、雷最上位魔法、雷最上位魔法のどれがよろしいですか」
「選択の余地がなくなってるよ(汗)」
「選ばなくても結構です。雷最上位魔法《白夜の咆哮》三連撃ですので」
「死ぬね!僕、絶対死ぬね!」
「伝説の竜騎士カイザークに相応しい勇者様の魔法ですよ。今度は手加減しません」
「やめて〜!手加減して〜!」
……もしかして、オルフェ。
(俺をフォローしてくれてる?)
さっきの魔法《白夜の咆哮》がバチッ……て。
静電気になってしまったのは、俺が魔力を加減したからわざとだって。
(王様に思わせようとしている?)
「お優しい勇者様が躊躇なさるのでしたら私が致しますが」
(★!!)
物腰柔らかだが、目が全然笑っていない。
オルフェが本気で王様討伐しようとしている。
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